COLUMN コラム

【物流市況編①】柏IC

【物流市況編①】柏IC

2020年の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大に伴い、これを抑制するための外出自粛・営業自粛等は、経済活動を抑制すると同時に、不動産市場にも大きな影響を与えました。

現在ではワクチン提供により感染拡大の収束化及び経済活動の正常化が期待されている段階にありますが、物流市場においてはコロナ禍の電子商取引(EC)の拡大に伴い、最新型の施設に対する需要を押し上げており、地方都市においても今尚開発が続いています。

物流施設が集積する千葉県内陸部を代表するエリアである常磐自動車道「柏IC」周辺の工業地域及び工業専用地域は、成田空港と東京湾の中間に位置し、東京都心部からも30㎞圏内にあり、航空輸送・船舶貨物輸送・消費地と3方向へのアクセスが良好です。

さらには国道16号も利用可能で千葉方面にも輸送可能であるほか、最寄り駅となる「柏の葉キャンパス」駅周辺は大規模な開発が進んでおり、周辺居住人口も多いことから従業員確保にも有利です。

このため、近年は物流施設の集積が進んでおり、千葉県内でも有数の物流集積地であることから、直近の「柏IC」周辺の物流開発動向についてまとめました。

柏IC周辺の開発物件

直近1年間で柏IC周辺では3件の物流施設が開発が進行し、そのうち1件が竣工しています。

物流施設名開発業者竣工日
SOSiLA柏住友商事株式会社2023年5月竣工(予定)
LOGIMINAL柏大成有楽不動産株式会社2022年11月竣工(予定)
SANKEILOGI 柏の葉株式会社サンケイビル2022年3月竣工
柏インター周辺の物流施設開発状況


以下では、各々の物件の概要を記載していきます。

SOSiLA柏

SOSiLA柏(2022年8月6日撮影)


3件のうち最も大型施設となるのが「SOSiLA柏」です。約35,000㎡という広大な敷地を活かし、ランプウェイ(高低差のある場所を連結する道路のこと)を設置し、1Fから3Fまで接車可能な設計となっています。

また、低層階(1・2階)は平面利用、上層階(3・ 4階)は縦搬送に対応するなどの汎用性を備え、近時の幅広いテナントニーズに対応する予定です。

名称SOSiLA柏
所在地千葉県柏市新十余二12-6、11-1
アクセス(筆者計測)柏IC(800m)、TX「柏たなか」駅(2.2㎞)、TX「柏の葉キャンパス」駅(2.4㎞)
敷地面積35,362㎡(10,697坪)(予定)
延床面積82,717㎡(25,022坪)(予定)
構造/階高柱RC造(一部S造)・梁S造/地上4階建
用途地域工業専用地域(60/200)
竣工2023年5月(予定)
SOSiLA柏の概要

LOGIMINAL柏

LOGIMINAL柏(2022年8月6日撮影)


デベロッパーである大成有楽不動産が開発するLOGIMINAL柏は、延床面積13,824.35m²と物流施設としては小規模であり、地積も小さいことからSOSiLA柏のようなランプウエイは設置されません。

ただし、トラックバースは12台確保されているほか、床荷重は1.5t、各階の梁下有効天高5.5mと標準的なスペックを備えた施設になる見込みであり、現在は一棟貸しのシングルテナント物流施設としてリーシング活動中です。

名称LOGIMINAL柏
所在地千葉県柏市大青田723-1
アクセス(筆者計測)柏IC(800m)、TX「柏たなか」駅(2.2㎞)、TX「柏の葉キャンパス」駅(2.4㎞)
敷地面積6,717.12m²(2,031.92坪)
延床面積13,824.35m²(4,181.86坪)
構造/階高鉄骨造/地上4階建
用途地域工業専用地域(60/200)
竣工2022年11月(予定)
LOGIMINAL柏の概要

SANKEILOGI 柏の葉

SANKEILOGI 柏の葉(2022年8月6日撮影)


2022年3月に竣工したSANKEILOGI 柏の葉では、既に一部のフロアではテナントが入居しています(ただし、本記事執筆時点ではテナント募集中の看板もあり)。

サンケイロジという独自ブランドとしては第1号となる対象物件は、地上4階建て延床面積11,049㎡と大型施設と比較すると小規模ながら、複数テナントにも対応可能なマルチ型物流施設として開発されました。

10t車用トラックバース12台、トラック待機場3台、梁下有効高さ5.5m(4階は6.5m)、床荷重1.5t/㎡と、近年テナントから求められる標準的なスペックを備えています。

名称SANKEILOGI 柏の葉
所在地千葉県柏市柏の葉5-4-12
アクセス(筆者計測)柏IC(約700m)
敷地面積5,313㎡(1,610坪)
延床面積11,049㎡(3,348坪)
構造/階高鉄骨造、地上4階
用途地域工業地域(60/200)
竣工2022年3月
SANKEILOGI 柏の葉の概要

柏IC周辺のJ-REIT運営状況

柏IC周辺ではJ-REITなどによる大型物流施設も散見されます。

物件名所在所有(投資法人)延床(㎡)鑑定評価額(百万円)CR(%)
アイミッションズパーク柏鷲野谷字宮後原1027-23伊藤忠アドバンス・ロジスティクス31,976.007,1504.3
アイミッションズパーク柏2柏市新十余二7伊藤忠アドバンス・ロジスティクス117,435.2132,1004.0
MFLP柏柏市青田新田飛地259-1三井不動産ロジスティクスパーク31,242.007,1804.3
柏物流センター大青田字667-1日本ロジスティクスファンド投資法人 20,550.744,8504.4
柏IC周辺のJ-REIT運営状況

※鑑定評価額、CR(キャップレート:還元利回り)は2022年1月31日時点

これらの物件の期中キャップレートは4.0~4.3%と徐々に低下が進行しており、特に大型物件では利回りが4.0%フラットにまで低下しています。

県内物流施設としてはトップレベルにある湾岸部におけるJ-REIT物件のキャップレート水準が3%後半~4.0%であることに鑑みると、柏ICの大型物件は湾岸部に近い水準まで低下しています。

所見

一般的に、物流施設はランプウェイやスロープ等の設置が可能な高単価の賃料が取れる大規模施設の需要が強くなり、低利回り化も進行しています。

例えば5~6年前までのリートであれば、地積数千㎡は積極的に買う規模ではなかったものの、昨今は湾岸部及び内陸部における物流用地取得競争の激化から、千葉県内では本記事で紹介したような地積1万㎡程度の小規模物件であってもリート、私募ファンド等が高額で購入し、物流施設を開発する事例が散見されています。

<不動産市況編>
【不動産市況編①】千葉県
【不動産市況編②】千葉駅西口
【不動産市況編③】茂原市
【不動産市況編④】柏の葉キャンパス駅

<オフィス市況編>
【オフィス市況編①】千葉県
【オフィス市況編②】千葉駅
【オフィス市況編③】船橋駅
【オフィス市況編④】幕張新都心

<物流市況編>
【物流市況編①】柏IC

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