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【不動産市況編④】柏の葉キャンパス駅

【不動産市況編④】柏の葉キャンパス駅

2005年8月のつくばエクスプレス(以下TX)開通とともに、千葉県柏市北部の若柴地区に「柏の葉キャンパス」駅が開業しました。

これまで柏市北部には鉄道がなく、若柴地区、柏の葉地区、十余二地区などで生活するには車が必要でしたが、TX開通により鉄道による東京都心へ通勤が可能になり、駅周辺には住宅や生活利便施設も整備され、交通利便性と生活利便性に優れるエリアに変貌を遂げました。

つくばエクスプレス(TX)

千葉県毎月常住人口調査に基づく柏市の人口を見ると、TX開通前の2005年3月時点では333,519人であるのに対して、TX開通後の2022年8月時点では432,108人となっています。

開業から17年で人口は約10万人増、増加率約29.6%と驚異的な数字です。もちろん全てがTXの影響ではないかもしれませんが、統計データからもTX開通が人口増加に与えた影響の大きさがわかります。

今回の記事では、急速に発展した千葉県内で注目のエリア「柏の葉キャンパス」の不動産市況についてまとめました。

柏の葉キャンパス周辺の開発

「柏の葉キャンパス」駅周辺には、2006年に「ららぽーと柏の葉」、2017年に「柏の葉T-SITE」などの大型商業施設も整備されました。

TX開通前はもともと広大な平地で基地やゴルフ場があった場所ですから、用地買収が比較的スムーズに行われ、大型商業施設及びそれに付随する駐車場も次々と整備されました。また、これらの商業施設にはTXのほか、国道16号を使った車でのアクセスも可能であることから、商圏にも広がりをみせています。

同駅周辺には子育て世帯向けの保育所なども多く整備されており、交通利便性・生活利便性・子育て環境に優れる同駅周辺の区画整理地内の住宅地には相次いで分譲マンションが竣工し、都心に勤務する若いファミリー需要の受け皿となっています。

柏の葉キャンパスの高層マンション


同エリアの開発のコンセプトは「スマートシティ」。キャンパスという駅名から想像されるとおり東大・千葉大キャンパスのほか、病院、「柏の葉アクアテラス」(公共空間のリノベーション)等も整備され、「公・民・学」の一体的な集積を目指しています。

調整池を親水空間へと再生した「柏の葉アクアテラス」


「柏の葉アクアテラス」から見たビル群

柏の葉キャンパスの地価動向

今では急速に発展した同駅を含むTX沿線の最先端の街に居住することが一つのステータスとなり、東京等からの新たな住民も呼び込み、同エリアの人口は急激に上昇しているのは冒頭のデータのとおりです。

人が集まれば地価にも好影響を与えるため、同駅周辺の地価は住宅地・商業地ともに上昇傾向で推移しています。

区分番号価格(円/㎡)変動率(%)
住宅地(公示地)柏-79R4.1:325,000+2.5
商業地(基準地)柏5-5R3.7:487,000+1.5
「柏の葉キャンパス」駅周辺の公示価格

柏の葉キャンパスの不動産取引

このような同駅周辺の需要の高まりから、一般の不動産取引でも高額取引がみられます。

これまでは区画整理地内の賃貸マンション用地等が坪 100 万円で成約する事例が確認できましたが、直近の地元の不動産業者等へのヒアリング等では、区画整理地外であっても坪 100 万円以上で成約した事例も見受けられました。

柏の葉キャンパスの更地


また、区画整理地内の築浅戸建住宅が 1億円超で売出しされているほか、約10 年前に購入した一番街の中古マンションで購入当時の価格プラス α で売却される事例も散見されるなど(例えば中古でも価格が5,000~6,000 万円)、マンション価格の高騰により需要者層が高額取得者層へと変化しつつあります。

このような地価上昇局面では基本的に土地を持ち続けるインセンティブが働くため、地主は取引に対して強気になる傾向があります。

したがって相続等のイベントがない限り市場になかなか物件が出回らなくなり、供給が少ないことも価格上昇の要因とみられます。

周辺エリアへの影響

「柏の葉キャンパス」駅周辺では既に一般中間所得者層には手が届かないような高額物件もあり、柏の葉キャンパスで購入できない需要者層が隣のTX線「柏たなか」駅徒歩圏の住宅地に流れるなど、同駅周辺の住宅地の地価も上昇しています。

柏たなか駅前ロータリー


柏たなかの住宅地と更地


その他にもTX沿線ほどの強い需要はないものの、同じく柏の葉キャンパスで購入できない需要者層がJR常磐線(松葉町地区等)まで流れるなど、昨今はTX 線での不動産購入を諦めてJR常磐線で探す層も増えている印象です。

※地元の不動産業者の話によると、物件を募集する際、最寄り駅を「TX 線」とするよりも「JR常磐線」とした方が価格が安いイメージがあるため、今では敢えて「常磐線」と表記している業者もいるそうです。

ただし、松ヶ崎地区や柏地区まで離れると駅距離もあることから、現時点ではそこまで強いTX需要の波及はみられません。

「柏の葉キャンパス」駅周辺の開発とTX沿線のブランド力の高まりに伴う価格高騰の影響が周辺エリアにもジワジワ広がりを見せており、今後は周辺地価への影響にも目が離せなくなっています。

<不動産市況編>
【不動産市況編①】千葉県
【不動産市況編②】千葉駅西口
【不動産市況編③】茂原市
【不動産市況編④】柏の葉キャンパス駅

<オフィス市況編>
【オフィス市況編①】千葉県
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【オフィス市況編④】幕張新都心

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