COLUMN コラム

【オフィス市況編③】船橋駅

【オフィス市況編③】船橋駅

船橋市は市内に9つの路線と37の駅があり、都内と比較しても遜色がない程鉄道網が発達しています。

その中でも都心に直結し、交通利便性が特に優れているJR中央・総武線「船橋」駅は通勤に多くの人が利用しており、オフィス賃貸需要が県内で最も強いエリアです(上の写真のこぢんまりした船橋駅舎からは想像できないかもしれませんが)。

JR船橋駅周辺にはオフィス利用に純化したビルは多くはないものの、東京からの距離や県内各地への営業拠点としての距離が手頃で地理面・交通面で優位性があることから、相対的に企業の立地意向が強くなっています。

特にJR船橋駅とペデストリアンデッキでつながれ、2009年に竣工した船橋を代表する高グレードのオフィスビル(多目的ビル)「FACE」には需要が集中し、申込が重なるケースも見られます。

オフィスビル(多目的ビル)「FACE」

また同駅周辺の商業地の地価も相対的に高く、地価の上昇率も県内の他地域と比較して高いことも特徴です。

今回はJR船橋駅周辺のオフィス市況についてまとめてみました。

船橋駅周辺のオフィスビルの賃料相場

JR「船橋」駅は駅を中心に南口と北口に分かれていますが、同駅周辺では需要が競合し、全面積帯でテナントの選択肢が限られる状況が続いています。

特に同駅周辺から国道14号までに存するオフィスビルは近年は高稼働率を維持しており、なかなか空室が出ることがありません。

一方、同駅南口を出て国道14号までは徒歩で10分程度かかるため(そこまで歩きたくないテナントが多いため)、国道14号を越えれば空室のあるオフィスビルも散見されるなど、「国道14号を越えるか越えないか」が一つの目安になっています。

このように駅周辺はほぼ満室稼働である一方で、駅からやや距離のあるエリアの空室率は相対的に高くなることが特徴です。

エリア毎のオフィス賃料相場は以下のとおりです。

オフィスビルの立地賃料水準(共益費込)
JR「船橋」駅北口至近(デッキ直結)坪1.8万円~1.9万円
JR「船橋」駅北口周辺(デッキ直結ではない)坪1.5万円~1.6万円
JR「船橋」駅南口至近(デッキ直結)坪2.0万円~2.3万円
本町交差点周辺坪1.5万円~1.6万円
国道14号沿い坪1.0万円~1.1万円
業者ヒアリングを元に(株)中田不動産鑑定が作成


※あくまで一般的な相場観です。賃料水準は個別ビルにより異なりますので、詳細を把握されたい方はご相談ください。

特に南口至近のオフィスビスの賃料水準は、県内で最も高い水準です。

JR「船橋」駅北口


JR「船橋」駅南口※写真は京成船橋駅


本町交差点


国道14号


駅周辺では新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、飲食店舗等の閉店が見受けられるものの、従来から参入の難しかった路面一階店舗には依然根強い需要があり、新旧入れ替わりが見られます。

またオフィスに関しては新型コロナウイルス感染症拡大の影響も限定的で、近年は賃料水準はおおむね横ばいですが、需給が逼迫した状況が続いています。

船橋駅周辺のJ-REIT取得・売却状況

船橋ではJ-REITなどによる大型物件の取引も見られます。

●取得
立地物件名主用途取得日・取得者・金額取得時CR
本町JMFビル船橋01都市型商業施設2021年11月に「日本都市ファンド投資法人」が50億円で取得3.8%
前原KDXレジデンス津田沼住居2021年11月に「ケネディクス・レジデンシャル・ネクスト投資法人」が12億円で取得4.4%
本町PRIME SQUARE住居2021年9月に「タカラレーベン不動産投資法人」が6億円で取得
鈴身町船橋ハイテクパーク工場Ⅰ工場2021年8月に「スターアジア不動産投資法人」が17億円で取得
豊富町船橋ハイテクパーク工場Ⅱ工場2021年8月に「スターアジア不動産投資法人」が7億円で取得
(出典)JAPAN REIT.comより抜粋


●売却
立地物件名主用途売却日・売却者・金額取得額差額
西浦船橋西浦ロジスティクスⅠ物流施設2020年12月に「スターアジア不動産投資法人」が30億円で取得1億円
(出典)JAPAN REIT.comより抜粋


その他、駅北口で閉館した旧船橋グランドホテルをフローラT&Kが取得、駅南口の店舗ビルをリートが取得するなど、高額の取得がみられました。

昨今はオフィスビルの取引は少ないものの、船橋にはリートが所有するオフィスビルも散見されます。

船橋駅周辺の再開発事業

JR船橋駅周辺では再開発事業も進捗し、駅周辺の整備が進んでいます。

2018年2月に閉店した西武百貨店跡地は、2021年2月に大和ハウス工業(株)が取得しました。当該地の活用方法はまだ決定していませんが、高層マンション(※1)の提案が行われています。

2018年2月に閉店した西武百貨店


なお、同日閉店した西武船橋店LOFT館跡地は既に解体工事が完了しており、今後はオフィス2棟(※2)が建設される見込です。

2018年2月28日に閉店した西武船橋店LOFT館跡地


(※1)(仮称)西武船橋店再開発計画では、地上48階・地下2階、高さ約150mの商業施設付きの超高層タワーマンションが想定されています。
(※2)(仮称)船橋駅前プロジェクトノース棟・サウス棟とし、1棟が大和ハウス工業の自社ビル、もう1棟がテナントビルとなる見込です。

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