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不動産鑑定士の探し方は?簡単テクニック

不動産鑑定士の探し方は?簡単テクニック

不動産鑑定士は、税理士や弁護士のようなメジャーな資格ではありません。

不動産鑑定士の登録者数は、平成29年1月時点で8,268名(登録業者数は3,311業者/国土交通省の調べ)です。

一方、税理士の登録者数は79,404名(令和3年3月時点/日本税理士連合会の調べ)なので、不動産鑑定士の数は、税理士のおよそ10分の1。

母数が多い税理士や弁護士であれば、インターネットを利用した便利なマッチングサイト(税理士ドットコム、ビスカス、弁護士ドットコムなど)がありますが、残念ながら、不動産鑑定士にはそのような便利なサイトはありません。

街を歩いていても、税理士や弁護士の看板はあっても、不動産鑑定業者の看板を見かけることは、ほとんどありませんよね。

では、不動産鑑定が必要な場合、どうやって不動産鑑定士を探せばいいのでしょうか?本記事では、その方法をご紹介します。

インターネットで地域を指定して検索する

インターネットで検索
不動産の鑑定評価では、各地域の特性が不動産の価格形成に全般的な影響を与えるとされています。

つまり、不動産の価格には、「地域性」が大きく関係します。
例えば、住宅地であれば、「上下水道、ガス等の供給・処理施設の状態」が不動産価格に影響しますし、商業地であれば、「商業施設又は業務施設の種類、規模、集積度等の状態 」などが不動産価格に影響します。

何が言いたいのかというと、重要な地域の実情を最もよく知るのは、その地域で開業している不動産鑑定士だということです。
裏を返すと、不動産鑑定士が事務所を構える地域の不動産事情には精通しているけれども、それ以外の地域は分からない、ということになります。

私も例外ではなく、これまで住んできた地域、勤め先、仕事で通った地域の不動産事情には、ある程度精通していますが、それ以外の地域のことは、正直よく分かりません。

もちろん、よく分からないからこそ、周辺地域も含めて現地調査をしたり、ヒアリングを行ったりして情報を収集して、適正な価格を査定しうるだけの理論武装をするわけですが、地域の精通者レベルに到達するまでに、どうしても時間と労力がかかってしまいます。

同じ時間を調査に費やすのであれば、既に地域に根を下ろした不動産鑑定士に依頼した方が効率的です。
したがって、不動産鑑定士を探すときは、インターネットを活用して、「鑑定して欲しい不動産が所在する地域に拠点を構える不動産鑑定士」を探すようにしてください。

以下では、具体的にインターネットで不動産鑑定士の検索方法をご紹介します。

各都道府県の不動産鑑定士協会のサイトで検索する

各都道府県の不動産鑑定士協会のサイトで検索する
全国の都道府県には、「公益社団法人○○県不動産鑑定士協会」という、不動産鑑定士などで組織された資格者団体があります。

この各都道府県の士協会のサイトには、基本的に「会員紹介」ページがありますので、当該ページから、対象不動産の所在するエリアで開業する不動産鑑定士を抽出することができます。

士協会によっては、所属する不動産鑑定士のホームページへのリンクを付けてくれている場合もあるので、もし時間があるのであれば、リンク先を覗いてみることをオススメします。

不動産鑑定士によっては、得意・不得意分野がありますので、その辺を含めて、各不動産鑑定士のホームページで確認されてはいかがでしょうか。

ホームページのない業者の場合、直接連絡して、それとなく「地域に精通しているかどうか」、「依頼したい内容が得意かどうか」をヒアリングしてみてもよいと思います。この程度であれば、どの不動産鑑定士も無料で答えてくれるはずです。

Googleマップで検索する

Googleマップで検索する
勘違いされるかもしれませんので、強調しておきますね。不動産鑑定士を「Googleで検索する」ではなく、「Googleマップで検索する」です。

もちろん、Googleで「地域」+「不動産鑑定士」で検索し、上位に表示される不動産鑑定業者のサイトへアクセスしてみて、「依頼したい地域の精通者かどうか」、「依頼内容が得意分野に該当するかどうか」を調べても良いのですが、手間もかかりますし、自社サイトを作成していない不動産鑑定士も多く存在します。
肌感覚では、不動産鑑定士のうち、半分以上が自社サイトを作成していないと思います。

このため、Google検索では、地域に精通した優良な業者や、得意分野がフィットする業者がはじかれてしまう可能性があります。

また、インターネット検索で上位表示することのみに力を入れている業者があった場合、本来の鑑定評価の実力と伴っていないケースも考えられるので、「地域で実力のある不動産鑑定士に依頼する」という目的から遠ざかってしまいます。

このため、一般的なGoogleではなく、Googleマップで検索することをオススメします。
手順として、まずGoogleマップで対象不動産の位置を検索しておき、表示された当エリアで「Googleマップを検索する」というテキストボックスに、「不動産鑑定士」と入力してもう一度検索すると、当地域で開業している不動産鑑定士が表示されます。

自社のホームページを作成していなくても、Googleマップには登録している不動産鑑定業者は多いため、Googleマップを使う方法は不動産鑑定士探しに有効です。

他の士業の紹介や会社の福利厚生を利用する

他の士業の紹介や会社の福利厚生を利用する
知人や、中小企業経営者などであれば顧問先などの士業経由で、不動産鑑定士の紹介を受けられることもあります。

紹介の場合、ウマが合わなかった場合に断りにくいというデメリットもありますが、既に一定の信頼性は担保されているので、まったく一からインターネットで探すよりも、効率的に不動産鑑定士を探すことができる、というメリットがあります。

他の士業から紹介を受ける

他の士業から紹介を受ける
不動産鑑定士と関連のある士業は、いくつかあります。司法書士、土地家屋調査士、宅地建物取引士なども関連がありますが、最も関連が深いのは、税理士と弁護士です。

例えば、広大地や無道路地、高低差のある画地などの特殊な物件を相続した場合、事業用資産の買い換えの特例を活用する場合など、適切な不動産鑑定が必要な場合は税理士との関連、賃料増減額交渉、立退料の算定、破産・清算手続きの際などは、弁護士との関連が強くなります。

このような士業に別件で依頼している(したことがある)、または顧問契約をしていたり、親族・知人が士業を営んでいる場合には、不動産鑑定士を紹介してもらえるか、相談されてみてはいかがでしょうか。各種士業間で連携を取っている業者であれば、紹介してもらえるはずです。

会社の福利厚生を利用する

会社の福利厚生を利用する
世間的にはあまり馴染みがないかもしれませんが、会社の福利厚生として、不動産鑑定士を紹介しているサービスもあります(国内最大手はリロクラブ)。

勤め先の会社の紹介であるため、実績や信頼性も担保されていますし、割引が適用される場合もあるので、コストパフォーマンスに優れています。
また、従業員だけでなく、その家族も利用できるケースもあるので、福利厚生で鑑定を利用できるのであればオススメです。

ただし、福利厚生では紹介先を厳選されているため、登録されている不動産鑑定士の数が多くはないので、対象不動産が存する地域に精通し、かつ依頼内容が得意業務である、という不動産鑑定士を選ぶように注意してください。

終わりに

まとめ
その他、電話帳で不動産鑑定士を探す、市役所(資産税課、管財課など)で聞いてみる、などという方法も考えられますが、手間がかかるので、できれば避けたいところです。

不動産鑑定士探しに時間がかかり過ぎてしまい、鑑定評価書が必要なタイミングに間に合わない・・・となれば本末転倒です。

不動産鑑定士探しは、インターネットや紹介などを活用して、できるだけ効率的に短期間で終わらせたいですね。

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