COLUMN コラム

変化の時代に見失いがちなこと

変化の時代に見失いがちなこと

日々の生活は速度を上げ、世の中全体がダイナミックに変わるというのが現代社会の特徴です。テクノロジーの発展は飛躍的であり、我々の生活スタイルを劇的に変えました。情報は数秒で世界中を駆け巡り、人々は飽きることなく、常に新しいものを求めています。

そんな時代でも、誤解を恐れずに言えば、不動産鑑定士は変わらず地味でコツコツとした仕事をしています。一見、地道な事柄を積み重ねることでしか成果を得られない業種と思われがちな不動産鑑定士ですが(その通りなのですが)、その変わらない「地味さ」が実は大きな価値を生んでいるのかもしれない、というのが今回の記事のテーマです。

不動産鑑定士の仕事は、物件の価値を公平に評価することです。それは、その不動産が持つ歴史や特性、地域性や未来予想など、様々な要素を理解し、詳細な分析を行う作業を必要とします。それは地味な作業かもしれませんが、その積み上げた結果は売主と買主が公平な取引を行うための基礎となります。

また、コツコツとした作業を通じて得られる専門知識や見識は、短期的なトレンドに流されることなく、長期的な視野を持つことを可能にします。不動産鑑定士はその地域の歴史や需要を理解し、その地の価値を見つけ出す専門家です。手前味噌ですが、(良く言えばという枕詞がつきますが)それは常に新しい情報に追われる忙しさからは得られない、深い理解と洞察を生む仕事、とも言えるかも知れません。

そして何より、この仕事は一つ一つの不動産が持つストーリーを見つけ出す、まさに「発掘者」のような役割を果たします。その過程は決して華々しくはありませんが、それは一つ一つの価値を見つけるための、ある意味、研究者のような地味な探求です。

私たちが追い求めるのは、速さだけではありません。深さと広さ、そして時間をかけて育まれる専門知識もまた、私たちの社会が必要としているものです。これこそがまさに、不動産鑑定士の持つ地味さが生む、真の価値なのかもしれません。

今の世の中では、新しい情報に飛びつき、追いつこうとするあまり、本当に大切な価値を見落としてしまうこともあります。新しい情報に触れることは確かに大切です。しかしながら、コツコツと地道に働く不動産鑑定士という仕事の存在が、私にとっての「静寂」をもたらし、それは相手への思いやりと深い理解へとつながる、大切なものを見つめ直す機会を与えてくれます

変化が激しい時代だからこそ、不動産鑑定士のような地道な仕事の価値を再認識させられます。ただし、繰り返しますが、仕事内容は本当に地味です。黙々とデスクに向かっているか、黙々と物件を見ているかのいずれかです。また、資格を持っているから人生安泰、という類いのものでもありません。

派手なものに惑わされない、この地味な作業の存在が、私の人生の太い柱となり、大切な役割を果たしてくれていることを忘れてはならない、と思います。

【関連記事】不動産鑑定という仕事

CONTACT
お問い合わせ

相談のご予約や当社へのお問い合わせは、
以下よりお気軽にご連絡ください。