全国の主要な高度利用地の地価動向が把握できる「地価LOOKレポート」。
国土交通省が4半期毎に公表しており、実際の調査は日本不動産研究所に委託されています。
私も同研究所に在籍していた頃に、本調査に数年間関わらせていただいたこともあり、個人的にも思い入れのある調査です。毎回、マーケットの最新情報を求めて、3ヶ月毎に不動産業者等にヒアリングに行くのが楽しみでもありました。
地価公示、地価調査では年に1回の調査です。地価LOOKレポートはその間の地価情報を埋める貴重な調査でもあります。対象エリアは全国で、内容も充実しているので、ぜひご覧になってみて下さい。
詳細は上記リンク先をご確認いただければと思いますが、簡単に今回(令和3年6月)の内容について触れておきます。
全体を概観すると、今期は前期との比較で「下落地区数・横ばい地区数が減少」し、「上昇地区数が増加」しているようです。
公表資料から拝借させていただくと、住宅地は、好調なマンション販売需要からディベロッパーの素地取得が回復傾向にあり、商業地は新型コロナの影響が懸念されたものの、下落地点が減少し、法人投資家等の取引も戻ってきているとのことです。
なお、千葉県の調査地点は、商業地としては「千葉駅前」、「海浜幕張」、「船橋駅周辺」の3地点。住宅地としては「新浦安」、「柏の葉」の2地点、合計5地点です。
上記5地点を見ると、商業地の取引価格、取引利回り、オフィス賃料、店舗賃料はいずれも変動率が横ばいで、住宅地の取引価格、取引利回り、マンション分譲価格、マンション分譲賃料も変動率が横ばいとなっています。
各エリアを担当する不動産鑑定士のコメントを見ても、総じて新型コロナウイルスの影響が懸念されるものの、千葉駅前では再開発が進捗していますし、船橋駅周辺も空室があれば短期間で成約するなど、比較的ポジティブな見解が見られます。
アフターコロナも見据えても、商業地、住宅地ともに「千葉県主要エリアの需要は底堅い」という印象を受けました。
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