「士業は先生と呼ばれるから」と言って、ふんぞり返って待っていても仕事は舞い込んくるわけではありません。
「お客様をいかに獲得するか」は、不動産鑑定士のみならず、全ての事業家の永遠のテーマではないでしょうか。それが大手であっても、個人であっても基本的に同じだと思います。
私自身は不動産鑑定士として、大手鑑定機関と独立開業組の両方を経験しましたので、今回は両方の側面から見た「不動産鑑定士と営業」というテーマでお話してみたいと思います。
私は元々は人見知りですし、バリバリ営業する!というタイプではありませんでしたが、独立してからというもの、営業にも注力するようになりました。
「士業ってスマートなデスクワークばかりしてるんじゃないの?」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、「とんでもない。現場で汗をかきながら走り回ってます。」ということをお伝えできればと思います。
大手鑑定機関の営業
大手鑑定機関では、営業のスペシャリストがいます。
ただ、営業のスペシャリストと言っても、元々は不動産鑑定士として雇われてますから、「営業しかやらない」というわけではありません。通常の鑑定業務も行っています。営業のスペシャリスト以外の普通の社員は、定期的に既存のお客様に「挨拶回り」をしていたと記憶しています。
私が所属していた鑑定機関では、「営業向けの社員研修」がありました。余談ですが独立してから思うのは、「もっと真面目に社員研修を受けておけばよかったな」ということです。個人で企業の研修を受けるには費用もかかりますし、当時は営業の大切さがそこまで身にしみて分かっていませんでしたから・・・。
すみません、話を戻します。
昨今は地方公共団体からの依頼は減少傾向にありますから、大手であっても「いかに民間の仕事を受注するか」に注力しています。特に力を入れているのは次の3つではないでしょうか。
●証券化対象不動産の評価
●賃貸等不動産の時価開示に関する評価
●不動産の利活用に関する調査(PRE、CRE)
「証券化対象不動産の評価」や「賃貸等不動産の時価開示に関する評価」を受注すれば、大抵の場合、年に1~2回の再評価(同じ物件を再度評価すること)も付いてきます。このため、大手が営業に力を入れている分野です。
また、私が所属していた鑑定機関では、公共不動産の利活用(PRE)や企業不動産の利活用(CRE)の営業にも力を入れており、私自身も公共不動産の利活用(PRE)の専属部隊に所属していたことがあります。
その頃は営業のため、全国の自治体を飛び回っていました。もともと旅行が好きなので夜はご当地の食材を食べるのが楽しみでしたし、飛行機のマイルも随分貯まりました。
ただ、営業のスペシャリストと言っても、元々は不動産鑑定士として雇われてますから、「営業しかやらない」というわけではありません。通常の鑑定業務も行っています。営業のスペシャリスト以外の普通の社員は、定期的に既存のお客様に「挨拶回り」をしていたと記憶しています。
私が所属していた鑑定機関では、「営業向けの社員研修」がありました。余談ですが独立してから思うのは、「もっと真面目に社員研修を受けておけばよかったな」ということです。個人で企業の研修を受けるには費用もかかりますし、当時は営業の大切さがそこまで身にしみて分かっていませんでしたから・・・。
すみません、話を戻します。
昨今は地方公共団体からの依頼は減少傾向にありますから、大手であっても「いかに民間の仕事を受注するか」に注力しています。特に力を入れているのは次の3つではないでしょうか。
●証券化対象不動産の評価
●賃貸等不動産の時価開示に関する評価
●不動産の利活用に関する調査(PRE、CRE)
「証券化対象不動産の評価」や「賃貸等不動産の時価開示に関する評価」を受注すれば、大抵の場合、年に1~2回の再評価(同じ物件を再度評価すること)も付いてきます。このため、大手が営業に力を入れている分野です。
また、私が所属していた鑑定機関では、公共不動産の利活用(PRE)や企業不動産の利活用(CRE)の営業にも力を入れており、私自身も公共不動産の利活用(PRE)の専属部隊に所属していたことがあります。
その頃は営業のため、全国の自治体を飛び回っていました。もともと旅行が好きなので夜はご当地の食材を食べるのが楽しみでしたし、飛行機のマイルも随分貯まりました。
個人鑑定事務所の営業
私が独立したての頃、尊敬するベテラン鑑定士が個人としての営業方法を優しく教えてくださいました。それを参考にしながら「ああ、がんばらないとあの人のようにはなれないな。」と、日々営業にも精進しています。
そのベテラン鑑定士は、「俺も若い頃、先輩に世話になったから。」とおっしゃってましたので、私も歳を取ったとき、同じように若い鑑定士をサポートしようと心に決めました。そうやって社会は回っていくんですね。
さて。独立してからは、自分で仕事を受注しなければならないので、定期的に営業と言う名の挨拶回りをしています。
個人的には、営業というよりは挨拶回りですから、「お仕事をください!」というよりは、「近くで開業した不動産鑑定士です。よろしくお願いします。」という感じですね。
私の独断と偏見ですが、個人鑑定事務所の営業で力を入れている分野は、大抵次の3つではないでしょうか。
●市町村の固定資産税の評価員になるため。
●管財課や土木事務所から定期的に受注するため。
●相続案件が増えたので、税理士や弁護士などから受注するため。
上記の仕事は、誰もが欲しいのではないかと思います。もちろん、私も欲しいです。
個人の鑑定事務所では、高額な報酬が得られる証券化対象不動産や賃貸等不動産の評価を受注することは、なかなか難しくなります。このため、まずは定期的に安定した収入を確保することが大切ですから、上記のような仕事を得るための営業が中心となります。
公的関係で営業するとすれば、市町村の資産税課、資産管理課のほか、土木事務所など。民間では不動産会社やリフォーム会社などです。士業関係では事務所周辺の税理士事務所、弁護士事務所、司法書士事務所に挨拶させていただくことが多いです。
「あ、ここにも税理士さんの事務所があるな」と思えば、勇気を出して飛び込みでご挨拶させていただくこともありますが、他の士業としても、不動産鑑定士とつながっておくことのメリットは大きいので、大抵の皆さまは優しく対応していただけます。
そうです。お気づきのとおり、足を使った営業です。髪を振り乱し、汗をかきながら歩き回ります。
弊事務所ではホームページを今春公開しましたが(下記にトップページのリンクを貼っておきます)、当然ながら、ホームページでは自社を効率的にアピールする必要があるため、スマートな言葉を用いてスマートに営業している印象をお持ちになるかもしれません。
しかし、基本的に営業は真逆です。泥臭く自分からご挨拶に伺うスタイルです。
独立開業組の不動産鑑定士は、地価公示や地価調査、税務署の評価員など、一定の仕事は確保されているケースが多いので、そこまで営業に力を入れない鑑定士も多いかと思います。
特に独立されて何十年もお仕事をされているベテラン鑑定士は営業などしなくても十分食べていけると思いますが、私のような独立して間もない若手の鑑定士は、自分で開拓しないといけません。
もちろん、お相手のご迷惑にならないよう、十分に気を遣いながら。間違っても、いきなり電話することなどありません(こういう営業電話が本当に多くて、自分も悩まされているので)。
それが厳しい反面、試行錯誤が勉強になるので楽しくもあるのですが。
そのベテラン鑑定士は、「俺も若い頃、先輩に世話になったから。」とおっしゃってましたので、私も歳を取ったとき、同じように若い鑑定士をサポートしようと心に決めました。そうやって社会は回っていくんですね。
さて。独立してからは、自分で仕事を受注しなければならないので、定期的に営業と言う名の挨拶回りをしています。
個人的には、営業というよりは挨拶回りですから、「お仕事をください!」というよりは、「近くで開業した不動産鑑定士です。よろしくお願いします。」という感じですね。
私の独断と偏見ですが、個人鑑定事務所の営業で力を入れている分野は、大抵次の3つではないでしょうか。
●市町村の固定資産税の評価員になるため。
●管財課や土木事務所から定期的に受注するため。
●相続案件が増えたので、税理士や弁護士などから受注するため。
上記の仕事は、誰もが欲しいのではないかと思います。もちろん、私も欲しいです。
個人の鑑定事務所では、高額な報酬が得られる証券化対象不動産や賃貸等不動産の評価を受注することは、なかなか難しくなります。このため、まずは定期的に安定した収入を確保することが大切ですから、上記のような仕事を得るための営業が中心となります。
公的関係で営業するとすれば、市町村の資産税課、資産管理課のほか、土木事務所など。民間では不動産会社やリフォーム会社などです。士業関係では事務所周辺の税理士事務所、弁護士事務所、司法書士事務所に挨拶させていただくことが多いです。
「あ、ここにも税理士さんの事務所があるな」と思えば、勇気を出して飛び込みでご挨拶させていただくこともありますが、他の士業としても、不動産鑑定士とつながっておくことのメリットは大きいので、大抵の皆さまは優しく対応していただけます。
そうです。お気づきのとおり、足を使った営業です。髪を振り乱し、汗をかきながら歩き回ります。
弊事務所ではホームページを今春公開しましたが(下記にトップページのリンクを貼っておきます)、当然ながら、ホームページでは自社を効率的にアピールする必要があるため、スマートな言葉を用いてスマートに営業している印象をお持ちになるかもしれません。
しかし、基本的に営業は真逆です。泥臭く自分からご挨拶に伺うスタイルです。
独立開業組の不動産鑑定士は、地価公示や地価調査、税務署の評価員など、一定の仕事は確保されているケースが多いので、そこまで営業に力を入れない鑑定士も多いかと思います。
特に独立されて何十年もお仕事をされているベテラン鑑定士は営業などしなくても十分食べていけると思いますが、私のような独立して間もない若手の鑑定士は、自分で開拓しないといけません。
もちろん、お相手のご迷惑にならないよう、十分に気を遣いながら。間違っても、いきなり電話することなどありません(こういう営業電話が本当に多くて、自分も悩まされているので)。
それが厳しい反面、試行錯誤が勉強になるので楽しくもあるのですが。
終わりに
いかがだったでしょうか。あくまで個人的な経験に基づいており、不動産鑑定士によっては全く異なるかもしれませんので、ご留意ください。
不動産鑑定士は、国や県からの安定した仕事があります。ただ、大手鑑定機関も個人鑑定事務所も、「待っていれば仕事がくる」という時代ではありません。新規に開拓しないと仕事が増えませんので、お相手の迷惑にならないよう気をつけつつ、自分で動いて仕事を探していることがお分かりいただけたかと思います。
鑑定評価は、基本的に売買や相続がある時に発生しますから、仕事の機会として、そう多いものでもありませんが、不動産鑑定士という不動産の専門家とつながっておけば、税金、相続、売買など、いざというときに非常に役に立ちます。個人的には、営業でもこの辺りを上手くアピールするのがポイントかなと思っています。
以上、不動産鑑定士と営業というテーマでご紹介しました。
現場で汗を流している不動産鑑定士をお見かけの際は、優しく見守ってくださいね。
不動産鑑定士は、国や県からの安定した仕事があります。ただ、大手鑑定機関も個人鑑定事務所も、「待っていれば仕事がくる」という時代ではありません。新規に開拓しないと仕事が増えませんので、お相手の迷惑にならないよう気をつけつつ、自分で動いて仕事を探していることがお分かりいただけたかと思います。
鑑定評価は、基本的に売買や相続がある時に発生しますから、仕事の機会として、そう多いものでもありませんが、不動産鑑定士という不動産の専門家とつながっておけば、税金、相続、売買など、いざというときに非常に役に立ちます。個人的には、営業でもこの辺りを上手くアピールするのがポイントかなと思っています。
以上、不動産鑑定士と営業というテーマでご紹介しました。
現場で汗を流している不動産鑑定士をお見かけの際は、優しく見守ってくださいね。
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