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不動産鑑定はどうやって進めるの?

不動産鑑定はどうやって進めるの?

当事務所にご連絡くださる個人の方は「鑑定を依頼(相談)するのは初めてです。」という方がほとんどです。

不動産鑑定はどちらかと言えばマイナーな仕事ですので、不動産鑑定がどういうフローで仕事を進めるのか、鑑定に馴染みのない方には、なかなかわかりませんよね。

そこで今回は「不動産鑑定士は鑑定作業をどのように進めているのか」について解説してみたいと思います。

不動産鑑定に初めて触れる方はもとより、これから不動産鑑定士を目指そうとされる方の参考にもなると嬉しいです。

処理計画の策定

不動産鑑定ではお客様からご依頼を受けると、個別具体的な作業に入る前に「処理計画」を策定します。

この処理計画というのは「本案件について、これこれこういう工程で作業を進めます。各々のスケジュールはこうです。」という内容を記載した、いわば鑑定のロードマップです。

処理計画はお客様に作業工程をご説明する際はもちろん、案件を担当する不動産鑑定士が作業工程やスケジュールを把握しておく際にも活用できますし、お客様と鑑定士の間で作業の進捗状況を確認する際の共通認識資料としても役立ちます。

なお、途中で処理計画に変更があった場合には、あらためて処理計画を修正し、お客様にも書面または口頭でお伝えします。

では次章から処理計画の具体的な内容を見ていきます。

※不動産鑑定士によって作業項目や順番が異なることもありますので、あくまで一般的な作業項目の参考としていただけますと幸いです。

行政調査

まずは、法務局や市役所で物件に関する基本的な情報を集めます。

具体的には、法務局では次のような資料を取得します。

資料名目的
全部事項証明書(登記簿謄本)地番、地積、建物数量、所有者、権利関係の確認
公図位置の確認
地積測量図形状、地積の確認
建物図面建物の位置、形状の確認


法務局で取得した登記簿謄本などが市役所調査でも必要な場合がありますので、まずは法務局調査を先行して行い、法務局で取得した資料を持って、市役所では次のような資料を取得します。

資料名主な担当課目的
都市計画図都市計画課都市計画法上の規制(用途地域、建ぺい率、容積率など)を確認
道路台帳など道路管理課道路幅員、路線番号、官民境界などを確認
建築計画概要書など建築指導課開発許可、再建築の可否、建築基準法上の道路種別などを確認
埋蔵文化財包蔵地教育委員会埋蔵文化財包蔵地か否かの確認


他にもまだまだありますが(詳細はまた別途記事にします)、とりあえず主要な調査項目はこの辺りです。

これらはインターネットでも確認できる場合がありますが、例えば大規模地などでは用途地域が跨っていることもあるので注意が必要です。

可能な限り、市役所の窓口まで出向いて調査します。

インフラ調査

インフラ関係の調査では、上水道・下水道・ガス管の埋設の有無、インターネット環境の有無などを確認します。

資料名目的
上水道配管図上水道の有無、引込可能か否かを確認する
下水道配管図下水道の有無、引込可能か否かを確認する
ガス埋設管図ガス管の有無、引込可能か否かを確認する
インターネット環境の有無インターネットが利用可能かどうかを確認する


まずはその地域を管轄する水道局、ガス会社などに問い合わせて机上で確認し、現地にて照合します。

インフラの開発が必要な場合には、開発負担金も含めて確認します。

注意点としては、例えば対象不動産に配水管が通っていない場合でも、引込可能な場合もあるので、本管の位置を含めて確認します。

現地調査

次にこれらの資料をもって実際に現地に赴き、物件を調査します。

現地調査では、まずは土地の接道状況、方位(前面道路がどの方角を向いているか)、道路の現況幅員(市役所で取得した道路台帳と変わりないか)などを確認します。

また土地の間口・奥行きをメジャー等で計測(地積測量図と変わりないか)、隣地との境界を確認することも、対象不動産を確定するうえで大切な作業です。

その他、土地については日照の状態、傾斜の有無などを確認します。

建物については、まずは外観調査で物理的は破損がないか、違法な建築物はないか、基礎、越境物、占有状況などを確認します。

建物内部への内覧も可能な範囲で行い、壁、天井、床などの仕様資材、間取りなどを確認します。

また場合によっては近隣とのトラブルがないかなども調査することがあります。

さらに対象不動産のみではなく、近隣地域も歩いてみることで周辺の開発状況、最寄り駅までのルートや抜け道などを確認します。

同時に周辺の取引事例(いくらで取引されたのか)、賃貸事例(いくらで賃貸されているのか)なども一つ一つ確認していきます。

住宅地であれば住環境、交通利便性、生活利便施設の有無など、商業地であれば繁華性などが確認のポイントです。

これらは必要に応じて写真に撮り、メジャーなどで計測し、メモとして記録します。

不動産鑑定評価書の作成

行政調査、インフラ調査、現地調査などで一通り集めた情報を事務所に持ち帰って分析します。

これらの価格形成要因を不動産鑑定評価額に反映させ、評価額を決定します。

評価額が決定した段階で、お客様にご報告するとともに、不動産鑑定評価書の作成作業を開始します。

最終的に調査項目を「不動産鑑定評価書」として文章にまとめて、お客様に提出します。

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