日本経済新聞のニュースで、「米ゴールドマン、日本の不動産投資倍増 年2500億円」という記事がありました。
内容は、米ゴールドマン・サックスが日本での不動産投資を拡大するとのことで、投資額は従来の年1000億~1500億円から倍増となる2500億円規模に達するとのことです。
2020年秋頃から、海外投資マネーが日本へ集中しているというニュースが度々見られるようになりました。例を挙げると次のとおりです。
2020年9月 | 香港ファンド(PAG)が日本の不動産に最大8000億円投資 |
2020年10月 | カナダの投資ファンド(BGO)が日本の不動産に1兆円投資 |
2021年5月 | 米ゴールドマンが日本の不動産投資を年2500億円に倍増 |
これらに共通するのが、海外の不動産市場と比べ、日本はコロナの影響が小さいという判断のもと、外資が参入しているという状況です。
海外勢は特に稼働率の安定している賃貸マンション、需要が拡大している物流施設やデータセンターのほか、事業縮小に伴い企業が売却する不動産への投資を見込んでいます。
JLL(ジョーンズ ラング ラサール)による調査では、「国内の不動産投資額全体に占める海外勢の割合が34%と、過去最高だった07年と同水準に達した」とあります。
ここからは個人的な見解ですが、国債金利が低い日本では、海外勢にとってまだまだイールドギャップ(金利と利回りの差)が狙えるとの判断だと思います。
GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)などの公的機関による不動産投資に加えて、海外勢の取引が活性化することにより、日本の不動産価格の下支えになり安定します。
2019年頃、外資系プレイヤーに対する日本の不動産の取得金額は大きく減少しましたが、ここに来ての大幅回復は、新型コロナで先行きが不透明な日本にとって、良いニュースとして捉えています。
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