COLUMN コラム

ライフステージに応じた働き方

ライフステージに応じた働き方

私たちの人生にはさまざまなステージがあります。それぞれのステージには特有のニーズや課題が存在し、それに対応して働き方を変えることが求められることもあります。

また、日本企業の平均寿命は「23.3年」と言われており、かつての終身雇用や年功序列の考え方は崩壊しています。今の時代、転職は一つの選択肢として、当たり前のように捉えられています。

人生の中で仕事だけが全てではありません。時には、仕事以外のことで頑張る必要が出てきます。しかし、多くの人にとって、人生のうち多くの時間を費やすであろう仕事に対する向き合い方を、柔軟に変化させることができれば、それは人生の質を向上させる大きな要因にはなるでしょう。

これらの考えを背景に、以下で各ライフステージでの働き方の変化をまとめます。

新卒・独身時代

新卒・独身時代は、人生の新しい節目として、多くの挑戦と発見が待ち受ける期間です。多くの人が初めて社員としての仕事をスタートし、専門性や職務の責任を肩に負います。

この期間は、社会の一員としての基本的なマナーやコミュニケーション能力を磨く時期でもあります。独身であることから、仕事に打ち込む時間やキャリアのチャレンジに柔軟に対応できる一方で、友人や趣味、旅行などプライベートな時間を充実させるチャンスも豊富です。

独身時代は、自己投資の時期とも言え、自分の価値観を確立するための時間や新しい興味・関心を追求する自由があります。この時期に積み上げた経験やスキルは、後の人生や家庭生活の基盤となります。

ちなみに私の新卒・独身時代(2000年代前半~2010年代前半頃)は、長時間労働や転勤はほぼ避けられないものと捉えていました。その当時、それは"頑張る"という価値観の一部として受け入れられていましたが、時代と共にその概念は大きく変わりました。

今では、多様な働き方や価値観が受け入れられ、多くの企業もワークライフバランスを重視する風潮となっています。結果として、従業員の健康や家族との時間、さらには趣味や自己啓発のための時間も大切にされるようになりました。

特に、新たな技術の進化やリモートワークの普及によって、物理的な場所に縛られずに仕事をすることが可能となり、組織に属さず個人でも活躍できる時代となったほか、通勤時間の短縮や自宅勤務など、より効率的で柔軟な働き方が増え、それを重視する若者も増えています。

また、組織文化も変革の途中にあり、結果主義や能力主義が浸透しつつあります。これにより、従業員は自らのスキルや能力を高め、より意味のある仕事を追求することができるようになってきました。

結婚・結婚前後

結婚・結婚前後の時期は、多くの人々にとって人生の大きな転機となるフェーズですが、近年では結婚そのものを選択しない、あるいは伝統的な結婚の形にこだわらないという選択をする人々も増えてきました。

結婚を控える時期は、恋人としての関係性からパートナーとしての関係性へと変わり、お互いの価値観やライフプランを深く共有し合う時間となります。一方で、独身を選択する人々も、独自のライフスタイルや価値観を大切にしながら、充実した人生を歩んでいます。

結婚後は、2人での生活のスタートを切り、お互いの習慣や価値観を尊重しながら新しい家庭のカルチャーを築き上げていく過程が始まります。しかし、結婚しない選択をした人々も、友人、家族、パートナーやコミュニティとの関係を深めていく中で、異なる形の絆や支えを見つけています。

この時期は、キャリアだけでなく、家庭やコミュニティとの関係性にも対応しなければならないことが増え、それぞれの選択に応じて最適なライフワークバランスを模索することが求められます。結婚や独身、そのどちらの選択も、人それぞれの価値観や生き方を尊重する中での人生の成長と充実を追求する時期です。

出産・育児

出産・育児時期は、人生の中で大きな喜びになると同時に、多くの挑戦を伴い、時間的にも過酷なフェーズとなります。出産に際しては、母体の健康や子供の成長を考慮しつつ、家庭環境の整備や経済的な面での計画が求められます。

一方で、育児は24時間365日の長期戦。子供の成長とともに対応が必要な問題や、子供の健康、教育、環境など、様々な課題に直面します。多くの夫婦共働きの家庭では、常に仕事と育児の自転車操業。育児は喜びだけでなく、時間的制約、疲労やストレスも伴いますが、その中で得られる経験や子供との絆は計り知れないものとなります。

この期間中は、特にキャリアとのバランスが問われることも多く、柔軟な働き方や職場の理解が大切です。また、夫婦間の協力や家族、近隣とのコミュニティのサポートも、育児の成功の鍵となるでしょう。出産・育児時期は、家族全体の成長と絆を深める大切な時期です。

私自身も現在、このステージにあり、仕事をセーブして家事育児に時間を割くことが求められています。夫婦間での働く時間や役割の調整、例えば、どちらかが重点的に稼ぐ役として、もう一方が育児に専念するといった配慮も必要です。このような協議を通じて、家庭全体のバランスを保ちつつ、子供の成長や家族の幸せを追求することが大切な時期です。

中高年・子供の独立

中高年・子供の独立期は、人生の新しい章となる時期です。多くの親は、長い間育児に専念し、子供たちの成長とともに自分たちも年齢を重ねていきます。子供が独立すると、夫婦二人の生活が再び始まり、それは新しい日常やライフスタイルの模索を意味します。

この時期は、時間的にも余裕ができ、キャリアのピークを迎える方も多く、豊富な経験と知識を持って仕事に臨むことができます。一方で、健康面の課題やリタイアメントを見据えたライフプランの再構築が求められることもあります。また、介護問題と向き合うことも増えてくる時期です。

子供たちが家を出て、一つの大きな役割が終わることは、一時的な寂しさを感じるかもしれませんが、新しい趣味や旅行、または夢を追い求める時間として捉えることもできます。この時期は、再び自分自身と向き合い、自分の人生の価値や意義を再確認する大切なフェーズと言えるでしょう。子供たちとの関係も、より成熟したものとなり、親子の絆は新しい形で深まっていきます。

退職後

退職後の生活は、多くの人にとって新しいステージの始まりとなります。多年にわたる勤務を終え、日常のペースや生活の中心が大きく変わるこの時期は、人生の再構築を迫られる瞬間でもあります。一般的には、健康の維持や趣味の追求、旅行、ボランティア活動など、これまでの仕事中心の生活とは異なる多様な活動に打ち込むことができるでしょう。

また、退職金や年金など、経済的な側面での計画や調整もこの時期の大きなテーマとなります。政府による老後の2000万円問題もありましたが、退職後の生活資金の計画や資産運用は、安定した老後を送るための重要なステップとなっています。また、住まいのダウンサイジングや引っ越しも必要になるかもしれません。

さらに、家族との関係や地域社会との結びつきも新たな形で深まることが期待されます。子孫との交流や地域の活動への参加は、退職後の充実感や生きがいを高める要素となるでしょう。退職後の時期は、これまでの人生経験や知識を活かし、自分らしい第二の人生を築くための大切なフェーズと言えるでしょう。

まとめ

人生の各ステージでのニーズや環境は変わってきます。よって、それに合わせた柔軟な働き方を模索し、自分自身のライフバランスを最適化していくことが大切です。また、夫婦間やパートナーの協力やコミュニケーションが極めて重要となるポイントも多々あります。

現代に生きる私たちは、大きな変革の中にいます。たった数ヶ月でも世の中の仕組みが大きく変わってしまうということに、もはや異論の余地はないでしょう。

時代の流れと共に働き方も変わっていく中で、自分の価値観やニーズを見直し、ベストな働き方を選択し、よりよい自分に変えていく勇気が求められます。

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