COLUMN コラム

中古マンション市場の光と影

中古マンション市場の光と影

不動産市場はここ数年、変化の波が訪れています。特に中古マンション市場においては、価格の高騰と停滞が同時に進行し、地域による違いが顕著となっています。今回は、中古マンション市場の現状を分析し、今後の市場動向について考察します。

中古マンション市場の現状

高騰する都市部のマンション価格

不動産情報会社マーキュリーがまとめた2024年7〜9月期の東京23区における築20年以内の中古マンションの平均価格は1億1077万円に達し、過去最高水準を記録しました。新築マンション価格の高騰が中古市場に波及し、特に人気エリアでの価格上昇が顕著です。この現象は、投資需要や再開発が要因とされています。

一部地域で見られる価格の停滞

一方で、全国的には中古マンション市場に陰りが見え始めています。2024年11月の東京カンテイの調査では福島県や愛知県などの地方部で市場が軟調に傾き、価格の上昇ペースが鈍化しました。物価高や金利の先高観により、購入意欲が低下していることが要因と考えられます。

価格変動の背景

価格変動の背景とリスク分析

都市部のマンション価格上昇は投資機会となる一方で、価格上昇の背景にある需給バランスを精査することが重要です。再開発による利便性の向上は価格を支える要因となっていますが、投資目的の買いが主流となれば、需要の減退時に価格下落が顕著になる可能性があります。

地方市場の動向と今後の展望

地方市場では、需要が都市部と比較して相対的に限られるため、価格調整が比較的早く進む傾向があります。一部の価格停滞は、物価上昇や実質所得の減少に伴う経済環境の悪化を反映している可能性が高いです。今後は、住宅ローン金利も上昇の動きを見せていますし、地域ごとの経済政策や人口動向も価格に影響を与えるでしょう。

項目東京23区地方部
平均価格1億1077万円4000万~5000万円(※一例)
価格動向上昇基調停滞もしくは下落基調
主な要因投資需要、再開発金利先高観、物価高
将来予測高止まりもしくは調整局面徐々に下落する可能性あり
都市部と地方の中古マンション価格の動向

終わりに

中古マンション市場は息切れした感があり、変化の真っただ中にありますので、物件購入や売却を検討される方には、以下のポイントをお勧めします。

  • 【市場調査を徹底する】:地域ごとの価格動向や経済指標を確認し、売却時のリスクを最小限に抑える。
  • 【長期的な視点を持つ】:一時的な価格変動に惑わされず、自分にとっての利便性を重視する。
  • 【専門家の意見を活用する】:不動産鑑定士や宅建士などの専門家に相談し、判断の参考にする。

弊社としても、鑑定評価の分野で皆さまがより良い選択を行えるよう、知見を提供していきたいと思います。

引用元

  • 「中古マンション高騰『1億円』時代に 人気の億ションは」日本経済新聞
  • 「中古マンション、上昇相場に陰り 『軟調』15県、1年で3倍に」日本経済新聞

CONTACT
お問い合わせ

相談のご予約や当社へのお問い合わせは、
以下よりお気軽にご連絡ください。