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新社会人のみなさんへ

新社会人のみなさんへ

新社会人になるというのは、多くの人にとって一生の中で重要な転機の一つです。私が新社会人になった2000年は、いわゆる「就職氷河期」であり、非常に厳しい環境の中でのスタートでした。

それから24年が経ち、今日この2024年に新社会人として歩み始める皆さんの前には、当時とまったく異なる環境が広がっています。この記事では、2000年と2024年の新社会人が直面する環境の変化を比較してみたいと思います。

1. 経済環境の変化

●2000年: 日本は「失われた10年」を経て、就職氷河期の真っ只中にありました。求人倍率は2000年が史上最低(株式会社リクルート第39回 ワークス大卒求人倍率調査)。新卒採用枠が大幅に縮小され、多くの若者が希望する職に就けず、非常に苦労しました。また、苦労して就職しても、パワハラ、セクハラなどが存在しました。終身雇用がまだ一般的な考え方で、同じ企業で長く働くことが多くの人の目標でした。労働時間も非常に長く、残業が当たり前の文化がありました。

●2024年: 経済状況は一般的に改善し、人口減少も重なって新人が大切にされる文化が定着しました。特にITやデジタル関連の分野では人材不足が続いています。パワハラ、セクハラなどはもってのほか。また、キャリアの多様化が進み、フリーランスや転職を繰り返しながら自分に合った働き方を模索する人が増えています。ワークライフバランスの重視や柔軟な働き方が求められるようになり、企業文化もそれに合わせて変化しました。ただ、グローバルな競争や技術の進化により、より適応能力が求められる環境になっています。

2. テクノロジーの進化と働き方

●2000年: インターネットの普及は始まったばかりで、私はエンジニアだったのでそれなりにオンライン活用もありましたが、一般的な仕事の多くはオフラインが中心で、コミュニケーションや情報収集の手段が限られていました。また、専門知識や技術スキルを学ぶためには、本や教室での講座、あるいは実際の職場での経験が中心でした。さらに、個人の価値や成果をアピールする手段は限られており、履歴書や実績が主なものでした。

●2024年: AI、リモートワーク、クラウドサービスが日常化し、働き方に革命をもたらしました。物理的な場所にとらわれず、リモートワークやオンラインミーティングが一般化し、柔軟に働けるようになっています。スマートフォンと高速インターネットは生活の必需品となり、仕事でもプライベートでも欠かせない存在となりました。また、オンライン学習プラットフォームが爆発的に増え、どこにいても最新のスキルや知識を学べるようになり、自己啓発の機会が無限に広がっています。ソーシャルメディアや個人ブログ、ポートフォリオサイトなど、自己表現のプラットフォームが多様化し、個々の価値観や能力を幅広く表現できるようになりました。

3. 社会の価値観とキャリア観

●2000年: 終身雇用の価値観がまだ強く、一つの企業で長く働くことが美徳とされていました。一般的ないわゆる成功の定義は比較的明確で、安定した職に就き、家庭を持ち、物質的な豊かさを謳歌することが多くの人の目指すところでした。しかしながら、就職氷河期はその価値観に疑問を投げかけ、キャリアの多様性が徐々に受け入れられ始めた頃でもありました。

●2024年: 個人の価値を最大化するキャリアの選択が一般的になり、ライフスタイルに合わせた多様な働き方が可能になりました。現代はフリーランスや副業、転職が一般化しています。また、個人の幸福や満足度が重視されるようになり、仕事だけでなく趣味や社会貢献に価値を見出す人が増えています。多様性と包括性が強調され、様々な生き方が尊重される社会になっています。

新社会人のみなさんへ

僭越ながら、20数年間社会人生活を歩んできた私から、新社会人のみなさんへ心を込めて少しだけメッセージをお送りさせていただきます。

ご覧の通り、世の中は目まぐるしく変わっています。しかし、変わらぬ真実が一つあります。それは「変化に適応する力」の価値です。新たな技術、新しい働き方、そして新しい価値観へと柔軟に対応できること。これらは時代を問わず、非常に価値があります。そして、自分に合った働き方を見つけ、追い求めたい価値観を深く理解することは、長い社会人生活の中で本当に意味のあることです。

2000年に社会人としての歩みを始めた私たちが経験してきたこと、そして2024年に新社会人となる皆さんがこれから直面するであろう挑戦や機会は異なるかもしれませんが、常に変化を受け入れる姿勢が最も大切だと私は思います。

未来は予測不可能かもしれませんが、その準備をすることは可能です。新しいスタートを切るみなさんに、最高の社会人生活が待っていますように。

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