COLUMN コラム

受験生の皆さんへ

受験生の皆さんへ

大学入学共通テストが行われました。共通テストの次は、国公立大の出願準備、そしてすぐに私立大の入試が控えています。

私自身もかつて、センター試験という形でこの試験を経験しました。私の当時の受験勉強は、兵庫県北部の田舎に暮らしていたものですから塾などなく、さらに高校まで電車がないので毎日自転車で片道50分(片道15km)を通いながらの勉強ですから、それなりに大変だったと記憶しています。

学生の皆さんにとって、大学受験が終わった後に始まる社会人生活は、受験勉強以上の学びが待っています。いわゆる「社会勉強」というものです。これは時に厳しいものですが、同時にエキサイティングで楽しいものでもあります。

私が不動産鑑定士として活動しだしたのは31歳のときですが、それまでにも、”それなりにいちおう”、エンジニアとして人生経験を積んでいました(もちろん、まだ何も知らない20代ですから十分とは言えませんが)。

大学を卒業した2000年は、いわゆる就職氷河期の底で、求人倍率は史上最低(※)。私を含め、多くの同級生が志望の企業に就職できませんでした。また、31歳でエンジニアから不動産鑑定士に転職した頃はリーマンショックの真っ只中でしたし(そもそも鑑定士の試験勉強自体が死に物狂いで、不景気を気にする余裕さえありませんでしたが)、その後、結婚して子供が生まれ、41歳で独立したらコロナが世界を覆いました。コロナ禍で営業できず、集客には随分苦労しました。

(※)株式会社リクルート第39回 ワークス大卒求人倍率調査(【関連記事】就職氷河期とは何だったのか

苦労話をするつもりはないのですが、要するに20代~40代前半まで、私はかなり厳しい時代を生き抜いてきたということです。

もちろん、私なんかよりももっと大変な思いをしていた人は、たくさんおられます。社会的にも今の40代~50代前半は、特に不運な時代を経験しています(世間では悲劇の時代なんて言われているようです)。ですから、私が言っているのは「あくまで私なりに十分厳しかった」ということです。

ただ、それでも楽しかった思い出もたくさんあります。私のような田舎者でたいして頭も良くない普通の人間でも、社会人生活の密度はそれなりに濃かった。

時にはひどい目に遭うこともありましたし、数え切れないほどの悔しい経験もしましたが、苦しい時期もなんとかくぐり抜け(なんとか生き延び)、今は一国一城の主になれましたし、自分のやりたい仕事も生活もできています。周りには家族がいて、友達もそれなりにいますし、面白い人にもたくさん会うことができました。

「苦労は買ってでもしろ」と言うつもりはありません。もちろん、苦労なんてないに越したことはありませんが、今、受験勉強に励み、厳しい時期を過ごしている学生の皆さんに、一つだけ伝えたいことがあります。

「いつかそのトンネルは抜け出せますよ」と。

がんばってください。

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