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ごみ出しルール強化の背景と対応

ごみ出しルール強化の背景と対応

最近、千葉市内で物件を管理しているオーナー仲間から「ごみ出しトラブルに困っている」という相談を受ける機会が増えてきました。その背景にあるのが、行政によるごみ出しルールの強化です。

近年、全国的に「ごみ出し」に関する行政の取り締まりが強化されています。千葉市においても例外ではなく、市の条例に基づいて不適正排出者(分別違反や指定日以外の排出者など)への指導や調査が行われています

千葉市環境局の公式情報によれば、家庭ごみの分別や排出ルールを守らない人に対して、市が現地調査を実施し、注意喚起や文書による指導を行う制度が整備されています(出典:千葉市 ごみの分別・排出指導)。

今は、「誰が出したか分からないから仕方ない」では済まされない時代になっています。

管理不全が招く「ごみトラブル」の深刻化

私たち不動産業界、とくに賃貸住宅を取り扱うオーナーや管理会社にとって、ごみ出しトラブルは決して軽視できない問題です。入居者の一部がルールを守らずに不適切なごみ出しを始めた場合、それを放置すれば他の入居者にも悪影響を及ぼし、エスカレートしていく傾向があります

実際、「粗大ごみを勝手に放置」「分別せずに出す」「収集日以外の日に出す」といった行為がエスカレートすると、周囲の住環境は悪化し、近隣住民とのトラブルや物件の評判低下、退去率の上昇といった副次的な損失につながりかねません。

特に単身者向けのアパートや、外国人入居者が多い物件では、「ルールの認識不足」や「文化の違い」などからトラブルが起きやすく、管理会社が積極的に介入する姿勢が求められます。

オーナー・管理会社ができる具体的な対策

弊社でも賃貸物件を所有しておりますので、実際の管理業務の中で効果があった対策や、今後導入を検討している対応策について、いくつかご紹介いたします。

  1. 【ごみ置き場に掲示物を設置】
     各市町村の分別ルールや収集曜日を記載した掲示をで用意し、ダストボックスに貼り付けると効果的です。
  2. 【定期的な巡回と監視カメラの設置】
     防犯目的も兼ねて、ごみ置き場周辺にカメラを設置するのはおすすめです。録画があることで、トラブルの証拠保全にもつながります。また、定期的な巡回も抑止力に役立ちます。
  3. 【違反者への直接指導と市への連携】
     繰り返し違反が見られる場合は、入居者に対して書面での通知や、必要に応じて行政へ調査依頼を行うことになります。千葉市では、所有者や管理会社が提出する「調査依頼書」に基づいて現地調査が行われ、指導や行政からの直接警告が行われる制度が整っています。
  4. 【賃貸借契約への盛り込み】
     契約書の特約事項として、「ごみ出しルールに反する行為が繰り返された場合、契約の解除を含む処分があり得る」旨を明記しておくと、予防効果があるでしょう。

ごみ問題は物件価値にも影響する

不動産の資産価値は、立地や築年数だけでなく、「管理の質」によっても左右されます。特に共用部の清潔さや生活マナーの遵守状況は、内見時の印象を決定づける重要な要素です。

実際に、内見者から「ここ、共用部が汚れていてちょっと…」と敬遠された物件を、私は何件も見てきました。

自治体が主体となってごみ出しの是正に積極的な姿勢を見せている今、オーナーや管理会社は「任せきり」ではなく、”小さなトラブル”の芽を早めに摘み取る管理意識が求められています。

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