COLUMN コラム

賃貸不動産経営管理士試験を受けてみて

賃貸不動産経営管理士試験を受けてみて

昨日、「賃貸不動産経営管理士試験」を受けてきました。
某予備校の解答速報に基づく自己採点では、50点満点中42点。例年の合格ラインが35点前後と言われているので、おそらく大丈夫ではないかな、という程度にはホッとしています(もちろん、正式発表までは合否はわかりませんが…)。

この試験は合格率が25%前後で、「ものすごく難関」という類いではありません。宅建と同じくらいか、少しやさしいくらいでしょうか。それでも、肌感覚としては、不動産関係の仕事につく私たちでも100時間くらいは勉強しないと、なかなか合格は難しいように思います。
(ちなみに、不動産鑑定士の勉強のときは、5,000時間以上は机に向かっていたはずで、あれはさすがに別世界でした。)

今回の勉強も、おそらく100時間前後。とはいえ、まとまった時間が取れたわけではありませんでした。

社会人は「隙間時間」の寄せ集めでしか勉強できない

多くの社会人の方がそうだと思いますが、日々仕事があって、小さなお子さんがいるご家庭も少なくありません。「自分だけのための時間」をまるごと確保するのは、なかなか現実的ではないですよね。

私も例外ではなく、5分、10分の隙間時間をかき集めるようにしてテキストを開いていました。
移動の合間、子どもが寝た後のほんのひととき、朝起きて朝食の支度までの数十分…。そうした細切れの時間の積み重ねが、結果的に100時間になっていった感覚です。

しかも、この時期、私のメインの鑑定の仕事も忙しくなることはもともと分かっていましたが、実際にはそれ以上でした。突発的にヘビーな案件が重なり、家庭でも病気やケガなどが続き、「これ以上ないくらい忙しい」と感じるスケジュールの中での勉強になりました。

正直なところ、「もう合格は無理かな」「いっそ今年は諦めようか」と何度か心が揺れました。

年を重ねると、「全力でやる機会」は減っていく

それでも何とか勉強を続けて、ひとまず手応えのある点数が取れたことは、自分にとって小さくない出来事でした。
「多分、受かっただろう」以上に、

  • この状況の中でもう一歩踏ん張れたこと
  • 自分なりの限界に、少しでも近づこうと足掻けたこと

この2つが、静かな自信につながった気がします。

年をとると、「全力で頑張る」という場面はどうしても減っていきます。
代わりに増えていくのは、誰かのグチを言ったり、社会や会社のせいにしたり、「自分は本気を出していないだけ。やればできるんだけど」と心の中で言い訳してみたり…。

本当は自分が全力で手を抜いているだけなのに、誰かをおとしめることで、なんとなく自分が一段高い所に立ったような気持ちになってしまう。
そんな自分に、心当たりがまったくないという方の方が珍しいかもしれません。私も例外ではありません。

ですから、年齢を重ねた今になって、「言い訳できない状況」にあえて自分を置いてみることには、意義があるように感じています。

家族の時間を使っている以上、言い訳はできない

今回の試験勉強は、私一人の時間で完結しているわけではありません。
とりわけ妻には、家事や育児の負担がいつも以上に偏った時期もあったと思います。そのおかげで、私は隙間時間だけでなく、少しまとまった時間を勉強に回すことができました。

そう考えると、「不合格でした。でもまあ忙しかったし……」という言い訳は、どうしてもしたくありませんでした。
自分だけならまだしも、家族の時間を削ってもらっている以上、逃げ道を残したくなかった、というのが本音です。

年を取るほど、「自分を追い込む」機会は減っていきます。
だからこそ、意識してそういう場面をつくっていかないと、いつの間にか挑戦そのものを忘れてしまうような気がします。

小さな殻ですが

私ごときの小さな殻ではありますが、その殻を少しでも破ろうと、自分の限界にチャレンジできたことは、いくつになっても大切なことなのではないか――。
今回の試験勉強を通じて、そんなことを考えました。

結果がどうであれ、

  • 隙間時間でも積み上げればそれなりの勉強時間になること
  • 忙しい時期でも、工夫と体力気力次第で「もう一歩」踏み込めること
  • 家族の支えの上に、自分の挑戦が成り立っていること

これらをあらためて実感できたのは、大きな収穫でした。

合否の通知が来たとき、また静かに振り返ってみようと思います。

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