今年も、民間セクターを中心に様々な物件の鑑定評価のご依頼をいただきました(まだ2024年は終わってませんが)。わずか3ヶ月半のデータですが、弊社が今年行った地域ごとに異なる不動産評価に焦点を当て、その特性について掘り下げてみます。
千葉県:地域別の鑑定評価の特性
大網白里市
大網白里市で評価したのは駅に近いホームセンターの底地です。最近のDIYブームの影響を受け、同市のホームセンターは消費者の関心が高く、それに伴いその不動産価値の正確な把握が求められています。鑑定では、沿道サービス施設地としての立地の利便性や商圏との相互作用を重視しました。
松戸市
松戸市では利用されていない寄宿舎の鑑定評価を行いました。比較的駅にも近い大規模地であり、開発前提として地場の不動産業者からの需要が高く、都心にも近く安定した居住環境もあったため、施設解体後の利用方法の検討が評価の中心となりました。
鎌ケ谷市
鎌ケ谷市では戸建住宅の鑑定を行いました。同市は新鎌ケ谷駅を中心に新しい住宅地の開発が進み、市場では家族向けの広い空間を求める動きが見られるため、これらを戸建住宅の価値を把握し評価に反映しました。
千葉市
千葉市の不動産市場では投資用賃貸マンション(1棟)が強い注目を集めており、同市では複数のマンションの鑑定評価を行いました。市の中心部において高層化が進む中、居住空間の質やアクセスの良さが重要視されています。
四街道市
四街道市では物流倉庫の鑑定評価を行いました。同市の物流はこれまであまり注目されませんでしたが、昨今はその戦略的な地理的位置から需要が波及し、価値が見出されています。大規模な流通ネットワークの要として、アクセスの利便性や施設の機能性・汎用性を評価に反映しました。
野田市
野田市では賃貸アパート8件と、幹線道路沿いのコンビニエンスストア1件の鑑定評価を行いました。コンビニは日常生活に不可欠な存在として、その立地や客足の多さなどから賃料負担力を把握し、評価に反映します。賃貸アパートに関しては、居住の快適性や建物の維持管理の状態が重要な評価基準となりました。
市原市
市原市では、同市が千葉県の臨海工業地域の一角を担っていることもあり、工場の鑑定評価が中心でした。建物の維持管理の状態や賃貸に供された場合の賃料水準などが評価の主要なポイントであり、地域経済におけるその役割の重要性を評価に反映します。
八街市
八街市では、ガソリンスタンド敷地(底地)の鑑定評価を行いました。沿道サービス施設では立地が非常に重要で、通行量や背後の住宅地人口、周辺の商業活動との連携が価値を左右します。地代水準も広域的に把握し、これらの要素を詳細に分析し、評価に反映しました。
茂原市
茂原市での更地の価格等調査は、土地の地理的特性や画地条件が重要な判断基準となりました。市場では、これらの土地がどのように利用される可能性があるか、近隣地域や有効宅地部分の把握などが重要な要素でした。
市場動向
千葉県内の不動産鑑定評価やその地域の実地調査などを通じて、地域ごとに異なる特性が見えてきます。
2024年は、今のところ都市部では賃貸マンションや商業施設の鑑定、郊外では戸建住宅やアパート、そして幹線道路沿いでは沿道サービス施設や物流倉庫の鑑定が中心です。鑑定とは基本的に各地域の経済活動や住民の生活スタイルに密接に関連する施設の評価が中心であり、これにより市場のニーズが把握できます。
鑑定では各地域の特性に合わせつつ、市場の多様性とその将来変動を予測し評価に反映します。今後も市場の潮流を読み解き、適切な評価を行っていきたいと思います。