弊社では不動産鑑定業を主軸としながら、自社所有物件における不動産賃貸業にも取り組んでおります。法人として一定の管理体制は整えているものの、オーナーとしての経験はまだ浅く、日々試行錯誤を重ねながら運営しております。
不動産賃貸業を始めて間もないながらも、ありがたいことに入居者の方とのご縁が増えてまいりました。今回は、そんな駆け出しの中で実際に直面した「これは少し困ったな…」と感じた出来事を、備忘録として記しておきたいと思います。
■ 契約後のキャンセル
3月の繁忙期――最も入退去が集中するこの時期に、弊社管理物件の一室にお申込みをいただき、無事に契約も締結。入居予定に向けて、関係各社では鍵の手配や室内清掃、書類作成など、さまざまな準備を進めておりました。
ところが、入居日直前になって「やはりキャンセルしたい」とのご連絡。法的にはすでに契約が成立している状態。しかし、金銭の受け取り前という事情もあり、最終的にはキャンセルを受け入れることになりました。
ただ、キャンセルのタイミングが非常に厳しかったです。3月後半というのは、新生活を始める方が物件を探し終えた頃。また本物件は3月14日で既に満室の申込をいただいていたため、以降は募集を止めていた状態です。新たに募集をかけても、すぐに次の入居者が見つかるとは限りません。空室が延びれば、その分の家賃収入もゼロ。加えて、管理業務に携わる関係会社にも再募集対応や事務処理の手間が生じ、関係各所に非常に大きな影響が出てしまいます。
もちろん、ご事情があってのことと理解しております。ただ、もしやむを得ずキャンセルされる場合は、できるだけ早い段階(特に「重要事項説明」を受ける前)でのご連絡と、理由のご説明をいただけますと、こちら側としても非常に助かります。
■ ゴミ出しのルール
次に、春の引っ越しシーズンに起きたもう一つの困りごとが「ゴミ出しのルールが守られなかったこと」です。
ある朝、点検のため物件を確認すると、すでに可燃ゴミの収集は終わっているはずなのに、ダストボックスには大きなゴミ袋が4つ入っていました。このため、翌日回収予定の資源ゴミ(ダンボールなど)が、ダストボックスからはみ出し、蓋が閉まらない状態で、周りにもボックスに入りきらなかったゴミが放置してあります。
引っ越しシーズンでゴミの量が増えるのは十分理解していますが、回収されない時間帯のゴミ出しはボックスの外にもゴミが溢れる可能性もあり、見栄えも悪く、他の入居者や近隣の方にも迷惑がかかります。また、ルールをしっかり守ってくださっている9割の入居者の方々にとっては不公平な気持ちになってしまいます。
すぐに管理会社さんへ相談し、「回収されないゴミは持ち帰っていただくようお願いします」という趣旨の張り紙をしていただくことになりました。
オーナーとしては、新築物件ですし、清潔な環境を保ち、入居者の方にも快適に過ごしていただきたいという思いがあります。「俺一人くらい大丈夫だろう」という気持ちからだと思いますが、ちょっとしたルールでも守っていただけると、とてもありがたいです。
■ 経験を通じて学んだこと
不動産賃貸業は「モノ」だけでなく「人」を扱う仕事でもあります。契約書のやりとりや建物の管理といった業務の中に、人との信頼関係が常に存在しています。
入居者の方の生活、管理会社や不動産会社、施工業者の方のご尽力、そして地域との関係性。どれもが大切で、丁寧な対応が求められる世界です。お互いの立場を想像し、思いやりのある対応を心がけていただけると、オーナーとして本当にありがたく思います。
今回のようなトラブルも、いつか「こんなこともあったなぁ」と笑って話せるよう、日々のひとつひとつの経験を糧にしながら、これからも学びを重ねていきたいと思います。