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【総務省人口推計】人口減少が地価に与える影響

【総務省人口推計】人口減少が地価に与える影響

総務省は、2024年3月1日現在の人口推計の概算値と、2023年10月1日の確定値を公表しています。

総務省人口推計(令和5年(2023年)10月確定値、令和6年(2024年)3月概算値)(2024年3月21日公表)

2024年3月時点の総人口は約1億2397万人で、前年同月比で59万人(0.48%)の減少。2023年10月のデータでは、総人口は約1億2435万2000人で、前年比59万5000人(0.48%)の減少でした。

特に15歳未満の人口は1417万3000人で2.27%減少し、15歳から64歳の人口も7395万2000人で0.35%減少しています。一方で、75歳以上の人口は2007万8000人と前年比で3.68%増加しています。

人口減少が地価に与える影響

日本の人口が減少し続ける中で、地価にも顕著な影響が出始めています。人口減少は需給のバランスを変化させ、特に地方の地価に大きな打撃を与えています。以下、人口減少が地価に与える主な影響を考察します。

地方の地価下落

日本の地方の一部では、若者の都市部への流出が続いており、その結果として人口が減少しています。これにより、不動産市場は縮小し、空き家が増加しています。需要の低下は地価を直接的に押し下げる要因となります。地方自治体はこれに対抗するために、住宅やビジネスの誘致策を強化しているところもありますが、人口動態の大きな流れを変えるには至っていません。

都市部の地価への影響

一方で、大都市圏やその周辺部では、先日の令和6年地価公示からもわかるように、相対的に地価が安定しています。これは、高齢化が進んでいるにもかかわらず、依然として経済活動の中心地またはそのベッドタウンであるためです。しかし、若年層の人口減少は将来的にこれらの地域における住宅需要の減少を意味しており、長期的には地価に下降圧力を与える可能性があります。特にファミリー向けの住宅市場は影響を受けやすいと考えられます。

投資機会の再評価

人口減少による地価の変動は、不動産投資の機会を再評価する必要があるという点で、投資家にとっては重要な意味を持ちます。一部の投資家は、地価が安定している都市部や、将来的に人口が増加すると予測されるエリアに焦点を当てています。また、シニア向け住宅や医療施設など、高齢者市場に特化した不動産開発に注目が集まっています。

まとめ

日本で進行中の人口減少は、地価に広範囲にわたる影響を与えています。この影響は地域によって異なり、地方と都市部では地価への影響が顕著に異なって現れています。

このような状況の中、不動産業界は既存のビジネスモデルを見直し、新しい市場ニーズに対応するための戦略を練る必要があります。たとえば、地方では空き家対策や地域振興のためのプロジェクトが求められ、大都市部では多様な居住形態や高齢者向け施設の開発が重要になるでしょう。

今後、不動産業界では、人口統計の最新動向と地価の変化を常に監視し、それに基づいた適切な判断を行うことがより一層求められます。

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