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不動産鑑定士で職人になる

不動産鑑定士で職人になる

本コラムでは、誰に頼まれるでもなく勝手に不動産鑑定士の啓蒙活動をしています。今回もその一環で記事を書いてみたいと思います。

私たちは大きな変革の時代に生きています。テクノロジーの発展は、人々が働く方法や生活の質を劇的に変えています。一方で、デジタル化と自動化が進む中で、個人のスキルと専門性が再評価される流れも生まれています。

そんな時代では、個人が自己の能力を最大限に活かし、職人のような生き方を選択することは、非常に有意義な選択肢となっています。そして、仕事内容は地味ながらも高い専門性が求められる不動産鑑定士は、まさにその代表例です。

不動産鑑定士とは

不動産鑑定士とは、不動産の価値を評価する専門家です。土地や建物などの不動産に対し、市場価値や投資価値、使用価値などを公平中立な立場から評価する仕事を行います。この仕事は高度な専門知識を要し、経済、法律、建築など多岐にわたる知識が求められます。

凡人が専門家になる道

私を含め、多くの人が「凡人」と自称すると思います。不動産鑑定士は、特定の才能がなくても、継続的に学び、経験を積むことで、早ければ10年で、専門家としてそれなりの地位を築くことが可能です。これが長いとみるか短いとみるかは人それぞれですが、勤勉さと持続力が、この職においては特別な力となることは確かです

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個人の時代の可能性

現代は、個人が中心となって活動する「個人の時代」とも言われています。不動産鑑定士は、企業に所属するだけでなく、独立開業することも可能です。お客様と直接やり取りをし、自分のペースで仕事を進めることができるため、仕事以外も含めた自己実現を目指す生き方も実現できます。

地味だが確実な需要

不動産鑑定は、その地味さゆえに大きなスポットライトを浴びることは少ないですが、地価公示、地価調査、税務評価など、確実な需要があります。また鑑定士の高齢化や都市再開発の進展といった社会の動きにより、都市部の不動産鑑定士の需要は一層高まっています。特に20代から30代の若手鑑定士や女性鑑定士は業界の宝であり、彼らにはどこに行っても非常に高い需要がありますし、鑑定業界の未来を担う人物としての将来が約束されています。

自己成長のプラットフォームとして

不動産鑑定士は、個人が自らの努力で成長し、スキルを磨くことができます。専門性を深めることは、自己の市場価値を高めるだけでなく、より多くのお客様に質の高いサービスを提供することができるようになります。それは同時に、自分自身の人生の選択肢を広げることにも繋がります。

ワークライフバランスの実現

不動産鑑定士として独立することによって、柔軟な働き方を実現することができます。プロジェクトベースで仕事を選び、自分のライフスタイルに合わせて仕事のペースを調整することも可能です。これは、特に家庭と仕事を両立させたい人にとって魅力的な点です。

地域社会への貢献

さらに、不動産鑑定士としての仕事は、狭い鑑定の世界に留まるものではありません。正確な不動産価値の把握は、公平な税制や適正な不動産市場の形成に寄与し、結果として地域社会の健全な発展に貢献しています。この意味で、不動産鑑定士は社会における重要な役割を担う存在となっています。

まとめ

「凡人」であることは、決してマイナスではありません。むしろ、不動産鑑定士のような目立たない専門職においては、一歩ずつ着実にスキルを積み上げることができる凡人の堅実さが力となります。

個人として生きていく時代に求められるのは、長期にわたって確かな価値を提供し続けることができる持続可能性です。不動産鑑定士という職は、まさに、日々の地道な積み重ねが大きな経験・信頼となって返ってきます(ただ、そこに至るまでの下積み期間があります)。

あなたがもし凡人だと自覚しているならば、それを武器に変えてみてはいかがでしょうか。不動産鑑定士は来る日も来る日も不動産を見続ける泥臭さが求められる仕事であり、決して楽な仕事ではありませんが、地道な作業を厭わず、コツコツと専門性を高め、社会に必要とされる職人的な生き方ができます。

個人の時代に自分だけの独立したキャリアを築けることは、ある意味現代の働き方にマッチしている職業なのではないでしょうか。

鑑定業界でも若手不足や女性不足が進行しています。20代、30代の若者や女性に鑑定士を目指してもらえるよう、今回は不動産鑑定士という職業を、凡人なりにご紹介させていただきました。

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