COLUMN コラム

独立の際に気を付けること

独立の際に気を付けること

不動産鑑定士や宅建士として独立を果たすことは、数多くのチャンスと共にリスクも伴います。

私にはなんの才能もありませんが、独立して5年が経ち、なんとか人並みに生活できるようにはなりましたので、僭越ながら自分の経験則から、独立の際に気を付けることや際に避けるべきトラップについてまとめます。

資金の重要性

独立や起業を検討している人にとって、独立のための資金は、安定を手に入れるための基盤となります。

私も最初の半年間は無収入でしたし、仕事を立ち上げる初期段階では収入が不安定なため、最低でも半年分の生活費を貯金しておくことを推奨します。
例えば不動産鑑定士として独立する際には、具体的な金額は時期や地域、あるいは選択するサービスによって変わりますが、自宅兼事務所の場合の開業資金として200~300万円の予算を見込む必要があります。

宅建業者としても活動する場合、保証協会への供託金も必要となるため、さらに150万円程度の資金が必要です。社用車が必要な場合、車の購入・リース料も追加で必要となりますし、当然ながら、それらとは別に生活費も必要です。

ある程度の貯金があれば、新しい投資やビジネスチャンスに挑戦する際のリスクを軽減できますし、自己資金がある状態での資金調達は、金融機関からの信頼も得やすく、融資の交渉が有利に進められることが多いです。

そして何より、何かあった時の不安を減少させ、精神的な安定を保てます。この安心感は、ビジネスの判断を冷静に行う上で役立ちます。

営業の戦略

ホームページの活用

ホームページは企業や個人の「顔」となっており、多くの初めてのお客様がサービスや商品を試す前に、その内容や信頼性をチェックします。

ホームページでは、定期的にコラムやニュースを更新することで、信頼を築き、新しいお客様との関係を構築することができます。高度なSEO対策(Googleなどの検索エンジンで上位に表示される対策のこと)は必要なく、弊社も特に取り組んでいません。

ホームページの設立や記事のアップデートには、それなりの時間と費用がかかりますが、私の場合はセルフラーニングも兼ねていますので、さほど苦も無く取り組めています。乗り越えれば24時間絶え間なく活動する営業マンとなってくれるでしょう。

特に一人で独立する場合、通常の業務とは別に営業もしなければならないことから、営業マンとして活躍してくれるホームページの費用対効果は高いと思います。

飲み会参加の有効性

近年、特に若い世代を中心に飲み会を避ける文化が浸透してきています。逆に言うと、若い世代が参加すればそれだけで差別化が図れます。私はどちらかと言えば内向的な性格ですし、おしゃべりも得意な方ではないつまらない人間ですが、飲み会は可能な限り参加するようにしています。

飲み会は、フォーマルな場では得られないオフレコの情報が溢れる場です。子供が小さい方は参加をためらうかもしれませんが、普段から家事育児に積極的であれば、たまに飲み会があっても、配偶者は快く送り出してくれるでしょう。

少しでも参加する時間を確保することで、業界の最新情報や新しい人脈を得ることができますし、特に、チーム(例えば鑑定士であれば分科会など)で仕事をする場合で自分が新参者である場合は、自分を知ってもらうことで業務を進行しやすくもなるでしょう。

古くさいことを言うようですが、飲み会は単なる飲食の場ではなく、信頼関係の構築する場でもあることも少し意識すると良いと思います。

信頼できる人を見つける

独立して新たな世界に足を踏み入れると、様々な人と出会うことになります。残念ながら、その中には自分を操ろうとする人、不要な時間を奪う人なども含まれます。

こういった人々と関わると、時間だけではなく精神的にも影響を受けることが考えられます。私は争いが嫌いなため、そういう人に遭遇した場合は静かに距離を取るように心がけています。

ただし、立場的に距離を保つことが難しい場合や、独立初期は誰に相談すれば良いのか分からないことも多いでしょう。そんな時は、信頼できる人たちとのつながりを大切にしてください。

私も精神的に追い込まれたこともありますが、同年代の鑑定士仲間や、前職場の同僚・OBらの助言や支えにより、困難な状況を乗り越えることができました。

まとめ

私のような凡人でもそれなりの苦難があったように、独立を果たす旅は多くの挑戦や困難が伴います。

時には人間関係も含め、サラリーマン時代には遭遇し得ない課題に直面することもあり、その都度、方向性を見失いかけることもあるかもしれません。しかし、事前に納得のいくまで計画を立て、その計画に基づいて一歩一歩前進することで、困難な局面を乗り越えることができます。

また、信頼できる仲間やパートナーが側にいれば、心強さを感じるだけでなく、互いにアドバイスや助け合いながら前に進んでいくことができます。

今回の記事が、少しでも独立を検討されている方の参考になれば幸いです。

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