不動産投資は、安定した収入源を確保し、資産形成を行う上で人気の選択肢の一つです。特に、法人での不動産投資は、個人投資とは異なる税制上の利点や資金調達の優位性があり、多くの投資家から注目を集めています。
しかし、不動産投資を成功させるためには、物件選びが極めて重要です。その中でも、新築物件と中古物件の選択は、投資戦略を左右する大きな決断となります。それぞれの物件タイプには固有のメリットとデメリットがあり、さらに法人投資ならではの税制面での考慮点も存在します。
本記事では、法人による賃貸アパートへの不動産投資に焦点を当て、新築と中古物件それぞれのメリット・デメリットを解説します。不動産投資を検討している方にとって、ご参考になれば幸いです。
それでは、新築と中古物件の比較から始めていきましょう。
新築・中古物件のメリット・デメリット
項目 | 新築 | 中古 |
---|---|---|
メリット | – 最新の設備やデザインが入居者に魅力的 – 修繕費が少なく、初期の維持費が低い – 耐震性や省エネ性能が高い – 新築特例により建物固定資産税が三年間半額になる | – 初期投資が少なく、利回りが高い – リフォームやリノベーションが比較的容易 – 節税効果が高い(初期の減価償却費が大きい)※耐用年数を経過していな場合 |
デメリット | – 建築費が高騰しており初期費用が高い – 建築期間やリーシング期間が長く、収益化まで時間がかかる – 利回りが低くなる傾向がある | – 老朽化が早く、修繕費が高くなる可能性がある – 耐震性に不安がある場合がある – 入居者募集に苦労することがある |
税制の違い
新築物件
- 【減価償却】: 新築物件の場合、建物の耐用年数が長く設定されるため、長期間にわたって減価償却を行うことができます。これにより、法人の利益を圧縮し、税負担を軽減することが可能です。だたし、裏を返せば初期の減価償却費が少なく、節税効果が低くなるとも言えます。
- 【固定資産税等】: 新築物件は固定資産税評価額が高くなる傾向があります。
- 【消費税】賃貸マンションなどの住宅の場合は、住宅家賃が非課税のため、消費税の還付は受けられません。
中古物件
- 【減価償却】: 中古物件は耐用年数が短いため、減価償却期間が短くなり、初期の減価償却費が大きくなります。これにより、初期投資を早期に償却し、法人の利益を圧縮することが可能です。ただし、耐用年数を経過していな場合に限ります。
- 【固定資産税等】: 中古物件は固定資産税評価額が低くなる傾向があります。また、中古物件の取得時には、新築物件に比べて取得税が軽減されることが多いです。
まとめ
不動産投資において、新築か中古のどちらの選択が適切かは、投資家の資金状況や投資目標、リスク許容度によって異なります。
新築物件は、安定した長期的な収益を見込む投資家に適しており、初期費用を厭わない場合に有利です。一方で、中古物件は初期投資を抑えつつ早期に収益を上げたい投資家に向いています。特に、古くても魅力的な立地条件や高い入居率を維持している物件を見つけることができれば、中古物件は有利な投資となります。