厚生労働省によると、令和6年度の最低賃金が全国で改定されました。例えば、東京都は1,163円、大阪府は1,114円、千葉県は1,076円に引き上げられました。
全国で数%ずつの引き上げが行われた背景には物価上昇があり、これにより働く人々の生活の改善が期待されています。しかし、この賃金引き上げは中小企業にとって負担にもなり得るため、経済全体でのバランスが改めて問われています。
主観を交えた感想
私自身、大学時代に京都のコンビニでアルバイトをしていた頃、時給は850円程度でした。その頃と比べると、現在の最低賃金が1,000円を超えていることは、時の流れを感じさせます。しかし、物価も当時より上がっており、特に20代の若い世代にとっては、この賃金の引き上げが生活の安定に繋がるでしょう。未来ある若い世代が少しでも充実した生活を送れるよう、賃金の改善は大きな意味を持つのではないでしょうか。
一方で、私は「ロスト・ジェネレーション(失われた世代)」と呼ばれる、1990年代から2000年代初頭にかけての就職氷河期を経験した世代(1970年~1982年頃に生まれた世代)でもあります。この時期に社会に出た私たちは、就職難や低賃金に直面し、キャリアの基盤を築く機会が限られていたため、次の世代と比較して収入面でのギャップが広がりやすい状況にあります。このような「世代間格差」は、社会問題としても注目されるようになり、私自身もこれまでの人生で実感してきたところです。
また、不動産鑑定業界では若い世代のサラリーマンの給料が上がっている中、同じ会社で働いているロスト・ジェネレーション世代が、若い世代に収入で追い越されるという逆転現象が生じているという声も耳にします。このような状況が進むと、同じ社内で複雑な思いが募るロスト・ジェネレーション世代が存在するのも無理はないと思います。
今後も引き続き最低賃金や労働環境の改善が進められるとともに、世代間の経済格差が少しでも解消され、日本社会が一層豊かになることを願っています。