市町村のブランド力を推し量る指標の一つに「地価水準」があります。
そこで、千葉県地価調査(令和3年7月時点)の平均価格を第1位から第5位までランキング形式で並べてみたところ、新たな気付きがありましたので、共有したいと思います。
順位 | 市町村 | 平均地価 |
1 | 市川市 | 36万1854円/m2 |
2 | 浦安市 | 36万1800円/m2 |
3 | 船橋市 | 21万3746円/m2 |
4 | 松戸市 | 18万8787円/m2 |
5 | 流山市 | 18万4525円/m2 |
ランキングには千葉県の中で「東京寄りの地域」(葛南・東葛)が並びます。どの市も東京への通勤者が多く暮らすベッドタウンですから、「東京へのアクセスの良さ」が地価にも表れていることがよくわかります。
特に平均地価が高いのが市川市と浦安市です。
千葉県民であれば、市川、浦安というと眺望のよいタワーマンションでハイソに暮らしている住宅地をイメージされるかもしれませんが、両市は湾岸部に工業地も抱えています。
この湾岸部の工業地には都心部への配送アクセスの良さから近年は大型の物流施設の建設が相次いでいます。工業地の価格高騰も、両市の平均地価を吊り上げる要因の一つでしょう。
個人的には「あれ?第1位は浦安じゃないんだ・・・」と平均価格の第1位が夢の国のお膝元である浦安市でないのが意外でしたが、市川市はJR沿線で再開発やマンション建設が進んでいますし、商業施設も大変充実しています。
市川市の根強い人気が浦安市を上回る結果となりました。
第3位の船橋市は葛南では最も多い人口を有していますし、千葉県における商業地の中心として君臨しています。
JR船橋駅と高架化された京成船橋駅の間には、駅直結の多目的ビル「FACE」があり、本FACEを中心に非常に発展しています。
その他、新船橋駅前には巨大なイオンモールとマンション群があり一つの街を形成していますし、今後はJR船橋駅前で西武百貨店跡地の再開発も控えていますので、更なる地価上昇が期待されます。
がんばっているのが第5位にランクインした流山市ではないでしょうか。
流山市ではつくばエクスプレス(TX)の開通により、流山おおたかの森駅や柏の葉キャンパス駅を中心に開発が進み、ショッピングセンターやタワーマンションがどんどん建設されています。
これらの地域は都心部直結の交通アクセスの良さと住環境の良さから、昨今は県内で最も注目される地域の一つになっています。まだまだ開発の余地もありますし、大規模なまちづくりが期待されます。
以上、ざっとランキングを見てきましたが、最後に番外編として。
政令指定都市の千葉市(第7位)、商業都市としてブランド力のある柏市(第8位)がラインクインしていないのはいささか違和感がありました。
なぜそう思ったのかというと、これらの市はスポット的に県内有数の高い地価水準となるポイントを抱えているからです。
ただ、千葉市中央区のJR千葉駅周辺は再開発の真っ最中で街が改新されている最中ですし、同市美浜区の海浜幕張では首都圏最大級の分譲開発が進行中です。
今後、千葉市がラインキングの5位以内にランクインする日も近いのかもしれませんね。
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