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地価動向の背景にあるもの

地価動向の背景にあるもの

不動産は株式のような金融商品ではありませんので、急激に価格が変動するものではありませんが、特に不動産をお持ちの方は、地価動向は気になるのではないでしょうか。

不動産鑑定士は占い師ではありませんので、「地価が上がるのか、下がるのか」はわかりませんが、地価変動にはある程度のパターンがありますので、パターンに当てはめて予測することはできます

今回の記事では、住宅地を例に地価動向について”共通するパターン”について、解説していきます。もしご興味がありましたら、お付き合いください。

住宅地の地価が変動する要因

住宅地の地価が変動する要因を、地価の上昇・下落する場合に分けて解説していきます。
あくまで一般論で、すべてのケースに該当するものではありませんこと、ご留意いただけますと幸いです。

地価が上昇する住宅地

住宅地の地価が上昇するのは、次のようなケースです。

●新しい商業施設が建築された。
●再開発・区画整理によりインフラが整備された。
●新駅が開業した。など

再開発や区画整理などのインフラ整備の計画がある、または既に工事が進捗している住宅地などは、大きく地価が上昇する要因になります。
ただ、大規模な開発ではなくとも、

●都心に近接している住宅地
●都心へのアクセスが良好な駅に近接する住宅地

などは、昨今地価上昇が続く傾向にあります。

地価が下落する住宅地

一方、住宅地の地価が下落するのは次のようなケースです。

●駅から離れた地域に作られた新興住宅団地。
●都市計画区域外・市街化調整区域の農家住宅が多い地域。
●傾斜地や道路条件が悪い地域の住宅地。

基本的に生活利便性が劣る地域の地価は、下落傾向にあります。
※もちろん、住宅地では生活利便性のほか、居住の快適性なども重視されますので、これらの要因がすべて当てはまるわけではありません。

地価動向の背景にあるもの

お気づきかと思いますが、人口の増減と地価には強い相関関係があります。
結局のところ、人の流入が多い地域の地価は上昇し、人が減っていく地域の地価は下落します。これは住宅地に限らず、商業地でも同じことが言えます。

<地価予測の調査ポイント>

●人口が増える地域であるか。
→人口増減の背景にある居住の快適性(周辺環境など)、利便性(駅や商業施設の開発動向など)を調べる。投資物件であれば、安定的に収益を生む(賃料をとれる)地域であるか。

●流動性は確保されているか。
→売りたいときに売れる見込みがあるか。居住人口の増減と同時に、周りの物件の稼働率(空室が多くないか)を調べる。また、市場滞留期間(実際に売却までどの程度の期間がかかるか)を不動産業者にヒアリングしてみる。

調査のポイントは不動産鑑定士によって異なりますが、私はこのような点に留意しています。

あなたが不動産を購入されるとき(自宅用、投資用も含む)、「そういえば、中田が人口と不動産価格の関係について書いてたな・・・」と思い出していただけますと幸いです。

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