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イトーヨーカドー柏店閉店、進む構造改革

イトーヨーカドー柏店閉店、進む構造改革

千葉県柏市に位置するイトーヨーカドー柏店の閉店が予定されています(2024年10月頃)。これは親会社セブン&アイ・ホールディングスによる構造改革の一環で、採算性を総合的に判断した結果だと言われています。

この閉店は、首都圏を含む全国での店舗削減計画の一部であり、2026年2月までに33店舗の削減が計画されています。千葉県では、柏店と津田沼店の閉店が具体的な例ですが、セブン&アイ・ホールディングスは首都圏に店舗を集中化する戦略を採用しており、千葉県からの全面撤退は考えていないとのことです。

一方で、別のニュースで見るとイトーヨーカドーは即時配送サービスの本格導入を発表しました。このサービスは、配送スタートアップのONIGOとの提携により、2025年2月にも120店舗で展開予定で、生鮮品や総菜など7000~8000品目を最短20分で顧客に届けることを目指しています。

衣料品の縮小といったこれまでの構造改革に加え、この新しい食品配送サービスはイトーヨーカドーの成長戦略の柱として、経営のてこ入れを図る狙いがあります。

本2つのニュースを同時に紐解くと、イトーヨーカドーは一方で店舗の見直しを進めながらも、即時配送という新しいビジネスモデルを導入することで、顧客ニーズの変化に対応しようとしています。これは、小売業界全体の構造変化とデジタル化が進む中で、従来の大型店舗に依存するビジネスモデルからの脱却と、より柔軟かつ迅速なサービス提供へのシフトを象徴しています

感想

イトーヨーカドーの構造改革と即時配送サービスの導入は、別々のニュースですが、個人的にはお互い関連し合うように企業が直面している課題と挑戦の双方を象徴しているように感じました。

私も現在は地価公示で柏の分科会に所属しており、本ニュースは地価の把握において他人事ではないため、本コラムで取り上げさせていただきました。店舗の閉鎖は地域社会や従業員にとっては厳しいニュースですが、同時に新しいサービスモデルの導入は、消費者の利便性を高め、企業の競争力を強化する可能性を秘めています。

このような変化は、不動産業界にとっても新たなチャンスをもたらす可能性があります。閉店する大型店舗の跡地利用や、即時配送サービスのための新しい物流拠点の確保など、不動産開発の新たな動向が注目されるでしょう。

本2つのニュースは、伝統的な小売業がどのように進化していくか、またその進化が周辺業界にどのような影響を与えるかを考える上で、非常に興味深いものでした。

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