「金利と不動産の関係?難しそう・・・読むの止めた!」
ちょっとお待ちください。分かりやすく解説するので、ぜひ最後まで読んでみてください。
こんにちわ、不動産鑑定士の中田です。
今回は、私たち不動産鑑定士が不動産を評価するときに考えている、”金利”と”不動産”の関係について記事にしてみました。
不動産全般に関わる話なので、住宅ローン金利をかかえている方はもとより、全ての方に関係する内容ですので、どうぞお付き合いください。
不動産の価格と利回りの求め方
不動産の価格は、 「不動産の生み出すキャッシュフロー÷利回り」という式で求められます。
鑑定評価でいうところの、いわゆる収益還元法(直接還元法)という手法です。利回りはキャップレートともいいます。
そして、 不動産の生み出すCFとは賃料のことです。
難しいのは「利回り」ですよね。
不動産の利回りを求める方法には、例えば、金融資産の利回りに不動産特有のリスクを積み上げていく方法があります。
利回りを求める式の一つに、こちらの式があります。
利回り=国債金利+リスクプレミアム-期待成長率
※他にもいろいろな方法がありますが、簡略化のため省略してます。
利回りについて興味のある方は、下記記事で詳しく解説してますので、参考になれば幸いです。
鑑定評価でいうところの、いわゆる収益還元法(直接還元法)という手法です。利回りはキャップレートともいいます。
そして、 不動産の生み出すCFとは賃料のことです。
難しいのは「利回り」ですよね。
不動産の利回りを求める方法には、例えば、金融資産の利回りに不動産特有のリスクを積み上げていく方法があります。
利回りを求める式の一つに、こちらの式があります。
利回り=国債金利+リスクプレミアム-期待成長率
国債金利 | 長期国債の金利のこと。 |
リスクプレミアム | 不動産特有のリスクのこと。 |
期待成長率 | 賃料の変動率のこと。賃料上昇ならマイナス、賃料下落ならプラスになる。 |
※他にもいろいろな方法がありますが、簡略化のため省略してます。
利回りについて興味のある方は、下記記事で詳しく解説してますので、参考になれば幸いです。
金利と不動産の関係
次に、利回りを求める式のうち、「国債金利」に注目してみます。国債は安全資産、いわゆる”リスクフリーレート”とも言います。
今は世界的な金融緩和で国債金利がほぼゼロですが、金利が低いということは、裏をかえせば今後、金利が上昇するリスクがある、とも言えます。
利回り=国債金利+リスクプレミアム-期待成長率
上記の式に当てはめて考えると、右辺の国債金利が上昇すると、左辺の利回りが上昇します。そして利回りは、
不動産の価格=不動産の生み出すCF÷利回り
という式であらわされるので、利回り(分母)が上昇すれば、不動産の価格は下落します。
これが金利と不動産価格との関係です。
つまり、金利が上昇すれば不動産価格は下落します。
今は世界的な金融緩和で国債金利がほぼゼロですが、金利が低いということは、裏をかえせば今後、金利が上昇するリスクがある、とも言えます。
利回り=国債金利+リスクプレミアム-期待成長率
上記の式に当てはめて考えると、右辺の国債金利が上昇すると、左辺の利回りが上昇します。そして利回りは、
不動産の価格=不動産の生み出すCF÷利回り
という式であらわされるので、利回り(分母)が上昇すれば、不動産の価格は下落します。
これが金利と不動産価格との関係です。
つまり、金利が上昇すれば不動産価格は下落します。
国債金利は2つの意味で注目
今は低水準の国債金利も、日銀による「金融緩和の出口」と「国債大量発行」という2つの意味で、今後上昇するリスクがあります。
それぞれについて、解説していきます。
それぞれについて、解説していきます。
金融緩和の出口
国債金利が不動産価格に影響すると上記で書きました。
ということは、日銀の金融緩和の出口戦略には、注目しておく必要があります。
物価2%上昇という目標を達成するため、2013年に異次元の金融緩和が始まり、政策は今なお続いています。
日銀の量的緩和が継続するということは、当面は不動産価格は安定する可能性が高い、ということができます。
ということは、日銀の金融緩和の出口戦略には、注目しておく必要があります。
物価2%上昇という目標を達成するため、2013年に異次元の金融緩和が始まり、政策は今なお続いています。
日銀の量的緩和が継続するということは、当面は不動産価格は安定する可能性が高い、ということができます。
国債大量発行のリスク
ただし、我が国の国債は増加の一途です。今回のコロナショックでも、日銀は大量の国債を発行しました。
「日本は国債は発行しすぎだ!」っという理由で国債を持つことが不安になると、新たに国債を買う人が少なくなります。そこで、もっと国債を買ってくれる人を増やすために、日銀は国債の金利を上昇させます。
金利と不動産価格は密接に関係しているため、金利が上昇すれば、不動産価格は下落します。
つまり、金利の先行きによっては、不動産価格の下落リスクがあるということです。
「日本は国債は発行しすぎだ!」っという理由で国債を持つことが不安になると、新たに国債を買う人が少なくなります。そこで、もっと国債を買ってくれる人を増やすために、日銀は国債の金利を上昇させます。
金利と不動産価格は密接に関係しているため、金利が上昇すれば、不動産価格は下落します。
つまり、金利の先行きによっては、不動産価格の下落リスクがあるということです。
住宅ローンにダブルパンチ?
簡単ですが、以上が「金利」と「不動産」の関係です。
昨今のコロナ対策として、日本では金融緩和の強化が打ち出されましたが、米国では長期金利が上昇傾向にあります。
今のところ、日銀も金融緩和を続ける姿勢を見せていますが、今後、特に住宅ローンを抱えている方などは、金利上昇と不動産価格下落のダブルパンチにもなりかねませんので、ぜひ金利の動向には注意してみてください。
昨今のコロナ対策として、日本では金融緩和の強化が打ち出されましたが、米国では長期金利が上昇傾向にあります。
今のところ、日銀も金融緩和を続ける姿勢を見せていますが、今後、特に住宅ローンを抱えている方などは、金利上昇と不動産価格下落のダブルパンチにもなりかねませんので、ぜひ金利の動向には注意してみてください。