日本経済新聞の記事で、不動産ディベロッパーである三菱地所が「ホテル事業を拡充している」とのニュースがありました。
内容は、三菱地所が沖縄の宮古島に米ヒルトンを誘致したほか、2024年にはラグジュアリーホテル「ローズウッド」も開業する予定とのこと。
三菱地所は「ロイヤルパークホテル」というホテルを国内で展開していますが、それに新しく「ローズウッド」が追加されることになります。
ご存じのとおり、今は新型コロナウイルスの影響により、インバウンドは激減。国内のホテルは倒産、廃業が相次ぎました。足下ではワクチンの普及が進んでいるものの、観光需要は完全には回復していない状況です。
そんな中、中長期的な回復を見据えた今回のホテル事業の開発。三菱地所は、今回のローズウッドとは別に、2023年に沖縄で「ヒルトン沖縄宮古島リゾート」も開業予定とのことですから、ホテル事業に本腰を入れていることが分かります。
上記以外にも、2021年には京都市にパリ発のスモールラグジュアリーホテル「フォションホテル京都」、大阪市にはマリオネット・インターナショナルのラグジュアリーホテル「W Osaka」が開業するなど、高級ホテルの開発が続きます。
<ラグジュアリーホテル(高級ホテル)の開発動向>
年 | 開発・運営 | ホテル名 |
2021年 | クレドインターナショナル | フォションホテル京都 |
2021年 | マリオット・インターナショナル | アロフト大阪堂島 |
2022年 | バンヤンツリー | 京都東山バンヤンツリー |
2022年 | バインターコンチネンタル・ホテルズ・グループ | 京都東山シックスセンシズ |
2023年 | 三菱地所 | ヒルトン沖縄宮古島リゾート |
2024年 | 三菱地所 | ローズウッド宮古島 |
2024年 | 東京建物・ホテル プロパティーズ リミテッド | フォーシーズンズホテル |
ホテルはボラティリティが激しいアセットです。これまでの歴史を振り返ってみても、ファンドバブルの崩壊や新型インフルエンザの流行、東日本大震災による観光自粛など、いくつもアップダウンがありました。
特に今回の新型コロナの影響がここまで大きくなったのは、インバウンド需要に頼りすぎていたことがありますが、国内の富裕層もターゲットにした高級ホテルの開発を軸に、再度回復の兆しが見えてきました。
観光地としてポテンシャルは高い日本。新型コロナにより大打撃を受けたものの、アフターコロナを見据えた高級ホテルの開発が続きます。
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