COLUMN コラム

星野リゾートに関する二つのニュースを見て

星野リゾートに関する二つのニュースを見て

最近、星野リゾートに関連する二つのニュースがありました。

一つが星野リゾート・リート投資法人が海洋資源の保護に資金を提供するための「ブルーローン」を使用する初の事例となったこと。これは環境保全目標と調和し、不動産投資における企業責任を扱う示唆に富むアプローチです。

もう一つが、星野リゾートの星野佳路CEOがインタビューに答え、ホテル料金の急騰が顧客満足度に与える影響について語っているニュースです。星野氏は、増加する観光需要が価格を押し上げる現状を批判し、これが最終的には観光客の満足度を下げ、日本が目指す観光立国との矛盾を生む可能性があると警告し、短期的な利益ではなく、顧客満足度と持続可能性を考慮した価格設定のバランスを取るべきだと主張されています。

二つのニュースから、日本の観光業界内の進歩と問題点が混在していることがわかります。

感想

星野リゾートに関する最近の二つのニュースを読んで、日本の観光業界における新しい動きについていくつかの思いが浮かびました。

1つ目のニュースでは、星野リゾート・リート投資法人が環境保護を目的とした「ブルーローン」を利用したことが紹介されています。これは、金融戦略を環境持続可能性と結びつける試みであり、このような取り組みが不動産セクターにおいてどのように環境保全に寄与できるかを示す良い例だと思いました。

一方、ホテルの宿泊費高騰という2つ目のニュースについては、星野リゾートの代表がホテル料金の急激な上昇が顧客満足度に与える影響について警鐘を鳴らしています。この点については、個人的にも感じるところが大きいです。最近のホテル利用経験から、宿泊費が以前と比較して随分高くなっていると感じます。しかし、料金の上昇がサービスの質の向上と連動しているわけではなく、実際には料金は上がっているものの、サービスの質がそれに比例していないと感じることも正直多いです。

星野氏が提案する、顧客満足度を重視した価格設定への移行は、このような状況を改善するための有効な手段だと思います。顧客が価格に見合ったサービスを感じられるような料金設定は、単に短期的な利益を追求するだけでなく、長期的な顧客の満足やブランドの信頼を築く上で重要だからです。

円安が進む日本の中で、今最も期待されているインバウンド需要を含めた観光業界が持続可能に成長するためには、価格だけでなくその価値を顧客が納得できるものである必要があります。このような考え方が、日本の観光業界の健全な発展に貢献すると信じています。

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