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定期借地権付き建物のメリットと注意点

定期借地権付き建物のメリットと注意点

2024年、首都圏の新築分譲マンション市場で注目されたトピックの一つが、定期借地権付き建物の増加です。前回コラムで書いたとおり、2024年の供給数は547戸(不動産経済研究所調べ)で、前年比で拡大傾向にあり、2025年も引き続き供給増加が見込まれています。特に、高騰する土地価格を背景に「購入コストを抑えたい層」からの注目が集まっています。

定期借地権とは?

定期借地権とは、一定の契約期間(例えば50年など)を設定し、その期間中に土地を借りて利用する制度です。契約期間が終了すると、土地は地主に返却されます。この仕組みにより、土地を購入する必要がないため、初期費用を抑えられるのが特徴です。

定期借地権付き建物のメリット

  1. 【価格の安さ】 土地の購入費用が不要なため、物件価格を抑えることが可能です。これにより、資金面での負担が軽減され、特に若年層や子育て世代にとって魅力的な選択肢となります。
  2. 【高立地条件の物件が手に入りやすい】 定借物件は都心や駅近といった好立地で地価が高いエリアに供給されることが多く、通常であれば購入が難しい層にも手が届きやすくなります。
  3. 【固定資産税がかからない】 借地権の場合、土地の所有権は地主にあるため、購入者が固定資産税を支払う必要がありません。
  4. 【一定期間後に売却を考えない層に適している】 老後の住居や、一定期間の生活拠点として割り切って利用する場合に適しています。

注意すべきポイント

  1. 【契約期間終了後の返還】 契約期間が満了すると、借地した土地は地主に返還され、建物も取り壊す必要があります。そのため、将来的に資産として残すことが難しい点を理解しておく必要があります。
  2. 【売却時の価格下落】 通常の所有権物件に比べ、定借物件は中古市場での価格下落が大きい傾向があります。特に契約期間が短くなるほど、再販価値は下がるため、将来売却を考えている場合は慎重な検討が必要です。
  3. 【管理費や地代の負担】 定借物件では、地代や管理費の支払いが必要です。これらのコストがランニングコストとして発生するため、事前に総額での負担を計算しておきましょう。

定期借地権付き建物の適した層

  • 高騰する土地価格を背景に、都心や駅近で手頃な価格の住まいを求める若年層。
  • 定年後の住み替えを考え、一定期間の利便性を重視するシニア層。
  • 将来的な相続や資産形成を重視しないライフスタイル志向の世帯。

今後の展望など

2025年以降、定借物件の供給増加が見込まれています。特に、地価高騰が続く都心部では、定借物件が「手の届く選択肢」として更に広がる可能性があります。

定期借地権付き建物は、土地価格の高騰に対する一つの解決策として注目されています。比較的購入コストをおさえて、利便性の高い立地の物件を選べる点は、大きな魅力の一つです。

ただし、検討する際には、契約期間終了後の土地返還や資産価値の変動といったリスクについても十分に理解し、ご自身のライフスタイルや資金計画に合った物件選びを慎重に進めていただければと思います。

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