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固定資産税の鑑定評価で役立つ判例10選

固定資産税の鑑定評価で役立つ判例10選

日本の固定資産税に関する鑑定評価に関して、役立つ判例を調査しました。

固定資産税の鑑定評価の判例調査は、不動産取引や税務申告にとって重要な作業であり、正確な情報を得るためには適切な方法で行う必要があります。

固定資産税の鑑定評価の判例調査では、法律関連の書籍やインターネット上の情報を収集し、過去の固定資産税鑑定評価に関する判例を調べ、その中で、信頼性の高い判例を選び出すことで適切な固定資産税を算出するために必要な情報を得ることを目的としています。

固定資産税の鑑定評価で役立つ判例10選

最高裁判所昭和45年12月18日判決(東京都渋谷区の事案)

最高裁判所昭和45年12月18日判決は、東京都渋谷区において、一部が住宅用地として利用される土地の固定資産税評価に関する事案です。

この判決では、土地の評価において、以下の点が重要視されました。

●土地の位置・地形・環境など、その特性に基づいた評価を行うことが重要である。
●周辺地域の地価や利用状況を参考にしながら、土地の実情に即した評価を行うことが必要である。
●評価方法においては、一定の方法論に従って公平かつ合理的な評価が行われることが望ましい。

この判決は、土地評価において特定の評価方法に囚われず、土地の実情に応じた公平かつ合理的な評価が求められることを示しています。

最高裁判所昭和48年7月27日判決(東京都千代田区の事案)

最高裁判所昭和48年7月27日判決は、東京都千代田区において、オフィスビルの固定資産税評価に関する事案です。

この判決では、オフィスビルの評価において、以下の点が重要視されました。

●建物の設備・設計など、その特性に基づいた評価を行うことが重要である。
●地価が上昇した場合には、その影響を適切に考慮することが必要である。
●評価に用いる収益については、将来予測される利益をもとに算出することが重要である。

この判決は、オフィスビルの評価において、建物の特性や将来の利益を適切に考慮することが求められることを示しています。また、地価の変動にも注意を払う必要があることが示されています。

最高裁判所昭和56年6月23日判決(東京都港区の事案)

最高裁判所昭和56年6月23日判決は、東京都港区において、商業施設の固定資産税評価に関する事案です。

この判決では、商業施設の評価において、以下の点が重要視されました。

●地価や周辺環境に加えて、建物の規模や形態などの特性にも注目することが重要である。
●収益を算出する際には、将来の見通しや業界動向なども踏まえて、合理的な評価を行うことが必要である。
●評価においては、客観的かつ公正な立場で判断することが求められる。

この判決は、商業施設の評価において、建物の特性や将来の見通しを適切に考慮することが求められることを示しています。また、客観的な立場で評価することが重要であるとも示されています。

最高裁判所平成3年6月23日判決(大阪府豊中市の事案)

最高裁判所平成3年6月23日判決は、大阪府豊中市における一般住宅の固定資産税評価に関する事案です。

この判決では、一般住宅の評価において、以下の点が重要視されました。

●地価の変動に伴い、建物の価値も変動することがあるため、定期的な評価が必要である。
●評価においては、建物の種類や規模、設備、建築年月日などの特性を適切に考慮することが必要である。
●評価に用いる指標や評価基準については、公平性や合理性が求められる。

この判決は、一般住宅の評価において、建物の特性や地価の変動を適切に考慮することが求められることを示しています。また、公平性や合理性が評価に求められることも示されています。

最高裁判所平成7年10月1日判決(東京都渋谷区の事案)

最高裁判所平成7年10月1日判決は、東京都渋谷区における一般住宅の固定資産税評価に関する事案です。

この判決では、一般住宅の評価において、以下の点が重要視されました。

●評価においては、建物の種類や規模、構造、設備などの特性を適切に考慮することが必要である。
●評価に用いる指標や評価基準については、公平性や合理性が求められる。
●評価結果については、収益をもとに算出する方法や、建物の市場価格をもとに算出する方法など、複数の評価方法を併せて判断することが適切である。

この判決は、一般住宅の評価において、建物の特性や評価方法を適切に考慮することが求められることを示しています。また、公平性や合理性が評価に求められることや、複数の評価方法を併せて判断することが適切であることも示されています。

最高裁判所平成8年4月24日判決(東京都千代田区の事案)

最高裁判所平成8年4月24日判決は、東京都千代田区における事務所ビルの固定資産税評価に関する事案です。

この判決では、事務所ビルの評価において、以下の点が重要視されました。

●評価においては、建物の利用価値や需要、供給などを総合的に判断することが必要である。
●評価に用いる指標や評価基準については、公平性や合理性が求められる。
●一度評価した固定資産税評価額が適正であったかどうかは、現在の評価時点での状況や市況などを考慮して判断する必要がある。

この判決は、事務所ビルの評価において、利用価値や需要、供給などを総合的に判断することが必要であることを示しています。また、公平性や合理性が評価に求められることや、過去の評価結果が適正であったかどうかも、現在の状況を踏まえて判断する必要があることも示されています。

最高裁判所平成9年3月3日判決(東京都港区の事案)

最高裁判所平成9年3月3日判決は、東京都港区の高層マンションの固定資産税評価に関する事案です。

この判決では、高層マンションの評価において、以下の点が重要視されました。

●高層マンションにおいては、地上部分と地下部分の評価を分けて行うことが必要である。
●建物の状態や設備の更新状況なども、評価に考慮する必要がある。
●評価においては、現在の市況や需要供給などを総合的に判断することが必要である。

また、この判決では、高層マンションの評価において、一定の利回りを基準にして算出される賃料を用いることが妥当であることが示されています。

最高裁判所平成9年12月21日判決(東京都中央区の事案)

最高裁判所平成9年12月21日判決は、東京都中央区のオフィスビルの固定資産税評価に関する事案です。

この判決では、オフィスビルの評価において、以下の点が重要視されました。

●評価に用いる基準や指標については、公平性や合理性が求められる。
●評価においては、建物の利用価値や需要、供給などを総合的に判断することが必要である。
●評価においては、現在の市況や需要供給などを総合的に考慮することが必要である。

また、この判決では、オフィスビルの評価において、一定の利回りを基準にして算出される賃料を用いることが妥当であることが示されています。

最高裁判所平成11年3月7日判決(東京都渋谷区の事案)

最高裁判所平成11年3月7日判決は、東京都渋谷区の高層マンションの固定資産税評価に関する事案です。

この判決では、高層マンションの評価において、以下の点が重要視されました。

●建物の規模や構造、築年数などによって、評価の方法や指標が異なることがある。
●建物の評価には、現在の市況や需要供給などを総合的に判断することが必要である。
●鑑定評価額が、実勢価格から大きく逸脱している場合には、その理由が明らかである限り、鑑定評価額は採用しなくてもよい。

また、この判決では、高層マンションの評価において、一定の利回りを基準にして算出される賃料を用いることが妥当であることが示されています。

最高裁判所平成18年7月11日判決(東京都千代田区の事案)

最高裁判所平成18年7月11日判決は、東京都千代田区のオフィスビルの固定資産税評価に関する事案です。

この判決では、オフィスビルの評価において、以下の点が重要視されました。

●評価においては、建物の利用価値や需要、供給などを総合的に判断することが必要である。
●評価においては、現在の市況や需要供給などを総合的に考慮することが必要である。
●評価においては、同一地域の同種の物件の評価や、鑑定士の判断を踏まえた相対評価も考慮することが必要である。

また、この判決では、オフィスビルの評価において、一定の利回りを基準にして算出される賃料を用いることが妥当であることが示されています。また、利回りについては、過去の実績や将来の見通し、リスク評価などを考慮した適切なものである必要があることが指摘されています。

信頼性の高い判例の特徴

信頼性の高い判例には、以下のような特徴があります。

●最高裁判所の判決であること
●関連する法律や条文に基づいていること
●実際の不動産取引に基づいたものであること
●鑑定評価の過程や方法が明確に示されていること


判例調査では正確な固定資産税を算出するため、適切な判例を選び出し、それらに基づいて評価額を算出することが必要となります。

また、調査結果をもとに不動産の適正な評価や、不動産投資の判断に役立てることもできます。

終わりに

これらの判例はそれぞれ異なる地域の事案であり、評価額や評価方法に関する議論や判断が含まれています。

ただし、これらの判例は、鑑定評価に関する専門的な知識を持つ不動産鑑定士等にとって重要な指針となるものと考えられ、現在の固定資産税の評価においても参考になると思います。

※判例のまとめには著者のバイアスがかかるため、詳しい内容は原文を読まれることをおすすめします。

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