COLUMN コラム

経験の蓄積とライフバランス

経験の蓄積とライフバランス

独立し、不動産鑑定士として活動する日々は挑戦の連続ですが、それを楽しむことができています。

あらためて、サラリーマン鑑定士としての日本不動産研究所での10年間の勤務は、私にとって有意義な時間でした。その期間中、日本最大手の鑑定機関の一員として、(個人事務所ではなかなか経験できないような)複雑な案件や大規模プロジェクトに携わる機会に恵まれました。これらの経験は、独立後、不動産鑑定士として直面する様々な案件に対応する際の、貴重な経験となっています。

独立した後も様々なご依頼をいただきますが、どんな案件が舞い込んでも頭の中ですぐにいくつかシュミレーションできるようになっていますし(不動産鑑定においては「同じような物件を鑑定したことがある」という経験は非常に大きい。)、限られた時間の中でいかに処理計画を立てるかということがやりがいの一つとなっています。今思えば(当時は気付きませんでしたが)、サラリーマン時代に柔軟性と即応力が養われたのだと思います。

また、15年にわたり不動産鑑定士として首都圏のいたるところを歩き回った経験は、どの地域においてもある程度の地図を頭に描く能力を鍛え、直感的な感覚を培うことにも繋がりました。

サラリーマン時代に転勤で住むことになった千葉に、まさかこれほど長く居着くとは思いませんでしたが、幸か不幸か、千葉では様々な地域の分科会を渡り歩くことになり、それに伴い知見のある地域が増え、訪れたことがある場所であれば”ある程度は”その場所のイメージが浮かぶようになりました。これは、仕事だけでなく、私生活においても大きな恩恵をもたらしています。

さらには20代の頃、大学及びエンジニア時代に培ったプログラミング技術は、当ホームページの作成(今では頼れる営業マンにまで成長してくれました。)や、LLM(大規模言語モデル)、マクロ(Visual Basic)等の活用による時間短縮・成果の最大化にもつながっています。

20代~30代の頃にバラバラにまいた種が芽を出し、(それぞれ相当の時間をかけて)成長し、つながってゆき、40代になって時代ともうまくタイミングが合い、ようやく一つの木になったような感覚です。いくつも寄り道はしたけれども、今となってはそれほど意味のない時間はなかったのかもしれません。

当社では、民間を中心に日々多くのお問い合わせをいただいており(ご依頼件数は年々増えてます)、それはたいへん喜ばしいことですが、高い品質の確保と責任の重さもそれに比例しますから、それはなかなか大変なものでもあります。しかし、この仕事は新たな発見と学びが常にあるため、一個人の専門家としての経験値(実績)をさらに高めることができるという魅力があります。

仕事は忙しいですが、私も40代半ば。身体に無理が利かなくなってくる頃です。一方、独立するとどうしても仕事をやり過ぎてしまう”セルフブラック企業”になりがちなので、どんなに仕事が忙しくても、自分自身と家族の健康を守ることを忘れないようにとは思っています。不動産鑑定士としてのキャリアを通じて、専門知識の深化だけでなく、最近はライフバランスの重要性を痛感しています。

今後も独立した専門家として、技術的なスキルとともに、ライフバランスや健康も大切にしていきたいと思います。

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