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【法人 vs 個人】不動産投資における税制の違いとポイント

【法人 vs 個人】不動産投資における税制の違いとポイント

不動産投資における個人と法人の税金の違いは、多くの投資家にとって頭を悩ませる問題です。私自身もこの問題に直面したことがあり「えっ、こんなに違うの?」と驚いた記憶があります。

では、具体的にどう違うのか、表を使って分かりやすくまとめてみましょう。

項目個人法人
適用税所得税(累進課税)法人税(一定税率)
最高税率45%(住民税含めると55%超)23.2%(中小企業の場合)
減価償却強制償却(定額)
※所有者の年齢や建物の用途により異なる
任意償却(調整可能)
※法人税法に基づいた計算方法
経費計上範囲比較的限定的広範囲(役員報酬など)
損益通算他の所得と可能法人内のみ
5年以上保有の譲渡所得税20.315%23.2%(法人税率)
5年以内保有の譲渡所得税39.63%23.2%(法人税率)
個人と法人の税金の違い

5年以上保有する場合の税金の違い

個人の場合

個人で不動産を5年以上保有すると、売却時の譲渡所得税が長期譲渡所得として扱われ、税率が20.315%(所得税15%、住民税5%)になります。これは、5年以内の短期譲渡所得の税率39.63%と比べて大幅に低くなります。このため、長期保有を前提とした投資では、個人での投資が有利になる場合があります。

法人の場合

法人の場合、保有期間に関係なく、譲渡所得は法人税の対象となり、税率は23.2%です。法人税は一定の税率であるため、保有期間による税率の変動はありません。個人と異なり、保有期間による税率の変動はないため、売却タイミングによる税金の違いは少なくなります。

個人投資のメリット:シンプルさと柔軟性

個人での不動産投資は、その手軽さが魅力です。「今日思い立ったら明日から始められる」という機動力は、個人投資家の大きな武器です。

また、他の所得との損益通算ができるのも大きなメリットです。例えば、不動産投資で赤字が出ても、給与所得などと相殺できます。これ、結構大きいと思います。しかし、5年以内に売却すると高い税率が適用されるため、長期保有を前提に計画を立てることが重要です。

一方で、青色申告特別控除のメリットも。青色申告を利用することで、一定額の控除が受けられます。

法人投資のメリット:節税と事業拡大

法人での不動産投資は、大規模な投資や事業拡大を目指す人にお勧めです。特に、年間の不動産所得が900万円を超えるような場合、法人化による節税効果は絶大です。

法人として不動産投資を行う場合、法人税は約15%~23%と、個人の累進課税に比べて一定の税率が適用されます。これは、高額の収益を見込む投資家にとって大きなメリットです。

また、法人の場合、保有期間に関係なく一定の税率であるため、長期保有による税率の変動を気にする必要がありません。

ただし、法人設立には初期コストや維持費がかかり、税務申告も複雑になるため、専門家の助けが必要です。また、法人住民税や事業税など、法人特有の税金がかかる点も考慮すべきです。

私の個人的な見解

不動産投資を始めたばかりの方や、小規模な投資を考えている方には、個人での投資をお勧めします。手続きが簡単で、初期コストも低いからです。

一方、将来的に大きな不動産ポートフォリオを構築したい、または他の事業と組み合わせて展開したいと考えている方には、法人化をお勧めします。税率が一定であり、経費として認められる範囲も広がるため、税金面でのメリットが大きいだけでなく、事業としての信用力も上がるためです。

最後に

税金の問題は複雑で、個々の状況によって最適な選択は変わってきます。この記事を読んで「よし、法人化しよう!」と思った方も、まずは税理士さんに相談することをお勧めします。

私も法人化を決意したときは、何度も税理士さんと相談しました。不動産投資は長期戦です。今の状況だけでなく、5年後、10年後の自分の姿を想像しながら、最適な選択をしてください。

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