不動産経済研究所が発表した2023年度の首都圏新築マンションの平均価格は、前年度比9.5%上昇の7566万円で、3年連続の最高値を更新しました。
特に東京23区は初めて平均価格が1億円を超え、高額物件の人気が続いています。神奈川県、千葉県も価格上昇を見せていますが、埼玉県は4.8%減の4890万円となりました。
一方で、新築マンションの発売戸数は減少傾向にあり、首都圏全体で6.4%減の2万6798戸となっており、1975年度以来の低水準です。
感想
首都圏の新築マンション市場は、高額物件の人気が高まり、価格が記録的な高水準を維持しています。特に東京23区では、超高級物件が市場を牽引し、初めて平均価格が1億円を超えるという顕著なデータが示されました。この現象は、建築費や人件費の上昇のほか、国内外からの富裕層の需要が高まっていることも大きな要因です。また、インバウンド投資の増加も、この価格上昇に一役買っています。
富裕層向けの超高級物件の需要が持続する要因として、まず、グローバル化の進展が挙げられます。国際的なビジネスの拠点としての役割を果たす東京では、外国人投資家の関心も高く、これが高価格帯の不動産への需要を支えています。また、円安の進行により資産運用としての日本の不動産投資の魅力が高まっていることも、海外需要を促進させています。さらに、限定されたプレミアム物件に対する独占欲やステータスとしての価値を求める心理も、本需要を維持する要因でしょう。
しかしながら、素地の仕入れが難しくなっている現状も影響しており、新築マンションの供給が減少しています。これは価格の一層の上昇を招く可能性があり、中長期的に市場にどのような影響を与えるのか注目されるところです。考えられる対応策としては、再開発やリノベーションといった既存の建物を活用する手法で、限られた土地資源を最大限に活用する手法などでしょうか。
市場の動向を左右するマンション価格高騰は、不動産市場において重要なポイントとなっているため、今後も注視していきたいと思います。