(一財)日本不動産研究所は、2023年9月末時点の市街地価格指数の調査結果を公表しました。
日本不動産研究所 第165回 市街地価格指数(2023年9月末現在)
主な内容は以下の通りです。
●全国の地価動向
全用途平均(商業地、住宅地、工業地の平均)で、前期比0.8%(前回0.7%)と上昇。特に商業地は行動制限や入国制限の廃止により人流が回復し、前期比0.8%(前回0.5%)と上昇。住宅地も前期比0.7%(前回0.6%)と上昇し、工業地は前期比1.2%(前回1.2%)と上昇が続いた。
●三大都市圏の地価動向
東京圏、大阪圏、名古屋圏の地価は全て上昇。東京圏は前期比2.4%(前回1.6%)、大阪圏は前期比1.6%(前回1.5%)、名古屋圏は前期比1.3%(前回1.1%)となった。
●地方別の地価動向
北海道、東北、関東、北陸、中部・東海、近畿、中国、四国、九州・沖縄地方の各地方で、地価の上昇傾向が続いている。特に観光地や交通利便性の高い地域での上昇が顕著。
2023年の日本不動産市場は、ポストパンデミックの影響を受けて明るい兆しを見せています。同調査によると、全国的に地価が上昇しており、特に商業地、住宅地、工業地の全用途平均で前期比0.8%の上昇を記録しています。この上昇は、行動制限や入国制限の廃止に伴う人流の回復、観光地での観光客の増加、再開発の進行など、様々な要因によるものです。
特に注目すべきは、地方別で、北海道から九州・沖縄に至るまで、地価の上昇傾向が続いている点です。特に観光地や交通利便性の高い地域での上昇が目立ちます。これは、国内外の観光客の増加や、物流施設用地への需要の高まりが影響していると考えられます。
同調査が示すとおり、日本の不動産市場は、ポストパンデミックの影響を受けて徐々に回復しているようです。しかながら、この上昇傾向が持続するかどうかは、今後の経済状況や政策の動向に大きく依存するでしょう。
特に、国際情勢や国内の経済政策が、今後の不動産市場にどのような影響を及ぼすのか、引き続き注目が必要です。