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【オフィス市況編②】千葉駅

【オフィス市況編②】千葉駅

JR千葉駅周辺では複数の再開発が進行しており、今後は新しいオフィスのほか、店舗、住宅なども供給される予定です。

街自体が大きく変わっている千葉駅周辺。

今回は千葉駅周辺のオフィス市況についてまとめました。

千葉駅周辺エリアでオフィスを構える理由とテナント属性

千葉駅周辺は東京からの営業拠点として手頃な距離にあることで、東京本社の「支店」としてのオフィス拠点を構える企業が一定数見られます。

以前の記事「千葉県オフィス市場まとめ」でも触れましたが、「対東京の商圏」があることが千葉のポテンシャルでもあります。

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東京からの距離や県内各地への営業拠点としての距離で見ると、千葉県内では「船橋」駅が最も選考性が高くなります。一方の「千葉」駅はJR総武線の終着駅となりますから、千葉駅より南に広がりがないという立地的なデメリットもあります。ただ、近年は千葉駅周辺も駅ビル、西口・東口の再開発などで盛り返しています。

千葉駅周辺のオフィスのテナント属性は、営業支店のほか、千葉県内の地元企業が多くなります。外部からの転入というよりも、千葉駅周辺の中での移転が多いことが特徴です。

千葉駅周辺のオフィスビルの賃料相場

千葉駅から徒歩10分圏内のオフィスビルの賃料、空室率はおおむね安定しています。

エリア毎のオフィス賃料相場は以下のとおりです。

オフィスビルの立地賃料水準(共益費込)
JR「千葉」駅至近坪1.7万円~1.8万円
千葉駅東口の大通り沿い坪0.9万円~1.0万円
国道14号(千葉街道)沿い坪1.4万円~1.5万円
国道14号西側坪0.9万円~1.0万円
京成「千葉中央」駅至近坪1.5~1.6万円
駅から距離があるエリア坪0.7万円~0.8万円

※あくまで一般的な相場観です。賃料水準は個別ビルにより異なりますので、詳細を把握されたい方はご相談ください。

千葉駅周辺は複数の再開発により新たなオフィスビルも供給されました(予定も含む)。3~5年前と比較すると賃料水準も横ばい又はやや上昇しているビルも見られます。

千葉駅周辺のオフィスビルの空室率の正確なデータはありませんが、空室消化が進んでおり、例えば千葉駅東口の大通り沿いで、築年が経過したビルであってコロナの影響はほぼなく、ほぼ満室稼働というビルも見られます。

一方で、駅からやや距離のあるエリアの空室率は相対的に高くて、慢性的に募集床が見られる状況です。

千葉駅周辺における新型コロナのオフィスマーケットへの影響

一部のオフィスビルではコロナの影響によるテナント解約も見られ、賃料を減額しフリーレントを付けて募集するような動きも見られました。

このようなコロナ前と比較するとやや賃料が弱含みしているビルも見られます。

ただ、千葉駅周辺の大部分のオフィスマーケットで見るとコロナの影響は限定的です。
※コロナ自粛により人出は減り、大きく影響を受けた飲食店舗などは除きます。

再開発以前は千葉駅前のオフィスといえばランドマーク的なビルがあるだけでしたが、今は西口にウェストリオ等、東口にも再開発でオフィスも供給される予定ですし、京成千葉中央駅ビルの再開発でもオフィスが供給され、分散化も進んでいます。

コロナの影響を含め、これらを鑑みると当面はオフィスマーケットが良くなることはあっても、悪くなるということ考えにくいと考えています。

千葉駅周辺のオフィス売買市場

売買についてもJ-REITなどによる大型物件の取得も見られます。

立地オフィス名取得日・取得者・金額取得時CR
千葉駅北口のロータリー沿い「リードシー千葉駅前ビル」2021年9月に「Oneリート投資法人」が45億円で取得4.3%
千葉駅直結「センシティビルディング」2020年3月に「日本プライムリアルティ投資法人」が139億円で取得4.3%


直近の千葉駅周辺の大型取引ではオフィスビルが2件ありました。いずれも取得時のCRは4.3%と低く、千葉駅周辺オフィスのキャップレートの低下(不動産価格の上昇)が進行していることがわかります。

千葉県内では機関投資家による投資対象の分散化が進んでおり、東京のベッドタウンとしての需要が堅いレジデンスの取得も見られるなど、東京都心部に需要が集中し投資物件が少なくなる中で、千葉県でも資金投入を目論んでいる投資企業も散見されます。

その他、千葉駅周辺では10億円未満の物件を取得する国内富裕層や、アジア系のインバウンド投資も見られることも特徴です。

千葉駅周辺の再開発事業

2018年にリニューアルオープンしたJR千葉駅ビルは、建替えにより集客力は安定しているほか、西口再開発も完了し、今は東口再開発が進行しているなど、今後も千葉駅周辺では再開発が進捗していきます。

今は街自体が大きく変化している最中です。

今後はこれらの再開発により人の流入が増える見込です。再開発により街が活性化すると、そこで働きたい人も増えるため、人の流入の増加はオフィスマーケットにも好影響を与えます。

個人的にも千葉駅周辺は10年以上見ていますが、再開発事業が始まる3~4年前と比べると、賃料水準はやや上昇しているビルも見られますから、今後についても期待できると予想しています。

以前は千葉駅周辺のオフィスといえば、千葉駅直結、駅前大通り、14号沿い、千葉中央がメインでしたが、今は2013年秋に竣工した千葉駅西口再開発ビル「ウェストリオ」等、「千葉中央京成ビル」(一部オフィス)などの新しいオフィスビルが完成したほか、現在開発中の東口再開発ビル(オフィス、店舗)、三越跡地(店舗、オフィス、住宅)などもあります。

千葉駅東口の再開発ビル


三越跡地の再開発


三越駐車場跡地の再開発


京成千葉中央ビル


今では選択肢も増え、新しくなった分、賃料水準も底上げしています。

千葉駅周辺のオフィス供給が増えてもマーケットは乱れないことから、千葉駅周辺のオフィスマーケットは熟成しつつあり、需要も安定していることがうかがえます。

※東口再開発は2022年11月末の開業を目標に進捗しています。
※東口の三越跡地は新たな商業施設が2025年頃に開業予定です。下層部を商業施設や公共施設、上層部を分譲マンションとする計画で、分譲マンションは名は「エクセレントザタワー」になる予定です。
※三越の駐車場跡地は店舗・オフィスビルの建設が進んでいます。

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