最近、電車内で泣く子連れ夫婦に対して「泣き声がうるさい!」と高齢男性が怒鳴りつけ、周りに諭されても、その後も怒りが収まらず、通報されたというニュースがありました。
度々ニュースで目にする、この手の「キレる老人」(男性。おそらく団塊の世代)には、私も過去、不動産鑑定の現場で3度遭遇しています。今日は、そんな彼らとのエピソードをシェアしたいと思います。
その1: 駐車場所での遭遇
今から14~15年前、私が新人鑑定士だった頃の話です。その日は大量評価で何十件も物件を見て回る必要があり、対象不動産の近くに車を停車して次々と物件を見ていました。
ある現場の前の車道に車を停めた途端、「コラー!!」と怒鳴る声が。振り返ると、怒り心頭の高齢男性がすごい剣幕で私を睨んでいました。どうやら私の駐めた車が彼の散歩コースを邪魔したらしいです。
いくら謝罪しても高齢男性の怒りは収まらず、私が車に乗ってからも追いかけてきて運転席の窓を叩いたり、ドアを開けようとしてきます。新人時代のこの恐怖体験がトラウマとなり、可能な限り実地調査では路上駐車は避け、コインパーキングに駐車するようになりました。
その2: 写真撮影に気を付けましょう
今から5年ほど前、田舎の某所にて農家住宅の写真を撮っていたら、「何をしているんだ!!」と怒声。10年ぶりのキレる老人(男性)の登場です。
私のカメラが彼の警戒心を刺激したようで、一瞬で不審者と思われたようです。撮影前はなるべく近隣の方々の目に触れないように気を付けていますが、こんなに怒鳴られるとは…。
この日、私はスーツを着ていたのですが、田舎でスーツは逆に目立つことを知りました。以降、現地調査に出かける際は、なるべく目立たないように作業着を着るようになりました。
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その3: 工業団地での遭遇
最後に、これは昨年末の話です。大規模工業団地の中で車を車道上に停め、新たに建築された物流施設を見ていたら、後ろから来た自転車に乗った高齢男性が「コラー!邪魔じゃー!!どけー!!」とご立腹。真っ赤な顔のコラおじいさんアゲイン。
ここは物流施設の建設が進む工業専用地域で、一般住民が自転車で通ることは滅多にない場所です。上記の苦い経験もあり、いつもはコインパーキングに車を止めるのですが、工業団地には近くにパーキングなどなく、道路も広幅員であったため油断しました。
いつものサイクリングコース上にあった私の車が、彼の気に触ったようです。この手の老人にはいくら謝っても焼け石に水。やはり、こういうケースを避けるため、車の停車位置はどんなときも可能な限り気をつけるよう、再度心に刻み込みました。
まとめ
これらの経験から、不動産鑑定士としての仕事は、ただのデータ収集以上のものだと痛感しました。
車を駐める場所、撮影には十分気を付けること、地域のルールや習慣を尊重し、地元の人々とのコミュニケーションを大切にすることももちろん大切ですが、どうしても路上駐車をせざるを得ない場合もありますし(配達員もそうですよね)、様々な都合上こっそりと写真を撮る場合もあります。
怒りの沸点が非常に低い会社を退職し老後を迎えているであろう団塊の世代の男性。正直言ってもう2度と遭遇したくありませんが、こうしてコラムネタにできて、ようやく昇華できました。
これも仕事の一環と言ってしまえばそうなのですが、不動産鑑定士は、車の停車位置や写真撮影には非常に気を遣いながら、キレる老人に遭遇しないよう願っているという、何の参考にもならないただの愚痴でした。
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