「不動産鑑定」という仕事は、やればやるほど奥行きが見えてきて楽しいです。独立してからは段取りもスピードも品質もすべて自分の責任で、手を抜けばそのまま「信頼を失う」という形で自分に返ってきますし、地道に積み上げればちゃんと評価される——そのシンプルさが気に入っています。
ありがたいことに、既にお仕事をご一緒したお客様からの再依頼やご紹介が増え、新規のご相談にすぐお応えできない場面も出てきました。本来は全てお受けしたいのですが、品質を落とさないために順番をつけざるを得ません。お待たせしてしまうことがあれば申し訳ありません。その分、品質と成果でお返しします。
今年は固定資産税評価の年でもあり、現在は約150件の鑑定評価が同時に動いています。銀座・日本橋の都心案件に向き合った翌日は、一宮・茂原・市原・袖ケ浦へ。そのまた翌日には幕張へ。都心と地方を行き来しながら、机上の仮説を現地で検証し、数字と肌感覚の差を埋めています。遠回りに見えても、この作業を省かないことが、結局は最短になると考えています。
私事では、この秋、息子の骨折や娘のインフルエンザ、母の脳梗塞が重なり、家事も含めてやることが一気に増えました。正直、何から手をつけたらよいか迷う日もありました。それでも、やるべきことを並べ直し、一つずつ終わらせる。格好いい話ではありませんが、その繰り返しで何とか前に進んできました。(余談ですが、明日は隙間時間にコツコツ勉強してきた賃貸不動産経営管理士試験の受験日です。)
この年齢で“自分の限界”にもう一度触れてみると、支えの大きさがよく分かります。まず家族。フルタイムで働きながら私の時間を作ってくれた妻の力がなければ、この数ヶ月の働き方は成立しませんでした。子どもたちと過ごす時間が減ってしまったことは反省で、明日の試験が終われば意識して取り戻します。
そして体力。20代から毎日続けてきた筋トレと有酸素運動は、記録に残るようなものではありませんが、「昨日と同じ回数を今日もやる」という小さな継続が、仕事の持久力を確かに支えてくれています。今は健康が何より大切だと実感しています。
独立していると「自分でやった」と言いがちですが、実際には多くの方の見えない支えの上に立っています。派手さより、約束を守る。ストイックさは表ではなく、日々の行動で示すものだと自分に言い聞かせています。
ご依頼をくださる皆さまへ。順番に、丁寧に、必ず仕上げます。やるべきことは変わりません。静かに、一歩ずつ。