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証券化の対象となる不特法スキームの動向

証券化の対象となる不特法スキームの動向

証券化対象不動産の取引には、「不動産特定共同事業法(以下、不特法)」における不動産取引も含まれますが、最近ではインターネットを活用した不特法をベースにした取引(いわゆるクラウドファンディング)が増加しています。

まず前提として、不動産鑑定評価における不動産証券化には、「オフバランス」を活用した商品を発行するケースのみならず、不動産を取得する際にSPC(特別目的会社)に出資を行ったり、不動産の所有権を小口化して販売したりするケースも含まれます。

※オフバランス:キャッシュフローを生み出す不動産をバランスシートから切り離すこと。

ここで言う「不動産の所有権を小口化して販売する」ケースが「不特法スキーム」を指しています。正確に言うと不特法に規定する不動産特定共同事業契約に係る不動産取引のことです。

※スキーム:仕組みのこと。

つまり、SPCを活用した会計上の「オフバランス」のみならず、「オンバランス」で処理される不動産取引も、不動産証券化(不特法スキーム)の対象となっています。

※オンバランス:不動産をバランスシートに費用計上すること。

なお、近年急速に拡大しているのがオンバランスで処理される不動産取引を前提とし、電子取引を活用して匿名組合員から出資金を募るのがいわゆる「不動産投資型クラウドファンディング」と言われるサービスです。

インターネットを活用した不動産取引である不動産投資型クラウドファンディングも、前提となる法律は不特法です。

1994年に施行された不特法ですが、近年目覚ましい活躍が見られるため、今回の記事にしてみました。

最後に、基本的な証券化関係の用語を整理しておきます。

SPCSpecial Purpose Companyの略。特定目的会社のこと。
特定目的会社資産を取得・保有し、その資産を裏付けにした証券を発行して資産を集めることを目的として設立された法人のこと(資産流動化法第16条)。不動産の証券化、証券化の核となる組織で、一定の税制上の優遇措置が与えられている。
アレンジャー証券化において、資金調達者と投資家との間でさまざまな調整や取り決めなどの業務を行う者をいう。
アセットマネジメント投資家や資産所有者等から委託を受けて行う複数の不動産や金融資産の総合的な運用・運営・管理業務のこと。運用・運営・管理の実行者をアセットマネージャーという。
オリジネーター不動産証券化において、保有する不動産、不動産の信託受益権、不動産収益を裏付けとした貸出債権者等を、SPC等の証券化を行う発行主体(ビーグル)に譲渡する者のこと。原資産保有者、資産譲渡人ともいう。
デットとエクイティ資金調達方法の区分。デットとは、借入金・社債等により調達された返済義務ある資金のこと。エクイティとは株式や組合出資等により調達された返済義務のない資金のこと。
デットとエクイティの関係不動産証券化に関し、一つのスキームでデットとエクイティの両方による資金調達が行われた場合、不動産収益はデットの投資家に優先的に配当され、残余の部分がエクイティの投資家に配当される。デットの場合は償還期限、配当等の条件が明確である一方、相対的に利回り(リターン)は低い。エクイティは償還期限・配当の条件が不確定でリスクが高い分、ハイリターンの可能性がある。
ノンリコース・ローンある事業から発生するキャッシュフロー(不動産の場合には賃貸収益及び売却代金)のみを返済原資とする融資のこと。
(参考文献)不動産証券化ハンドブック(一般財団法人不動産証券化協会)

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