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【簡単理解】千葉県の不動産市場まとめ

【簡単理解】千葉県の不動産市場まとめ

皆様、千葉県にはどういうイメージをお持ちでしょうか?

夢の国、空港、臨海工業地帯、農業や漁業が盛ん・・・などなど。それぞれイメージをお持ちだと思います。

それらについては何れ記事で書ければと思いますが、今回は「不動産」を切り口に千葉県を「住宅地」・「商業地」・「分譲マンション用地」・「工業地(物流)」に分け、それぞれ簡単に理解できるようにまとめてみました。

ちなみに、私は千葉に移り住んで12年目です。不動産鑑定士という職業柄、毎日のように房総半島を走り回り、話を聞き、不動産の取引事例を調査していますので、それらの目線から「今の千葉の不動産」を切り取って書き出してみたいと思います。

千葉県の不動産市場を理解する一助になれば幸いです。

千葉県の住宅地

千葉県の戸建住宅地
まずは千葉県の住宅地から見ていきます。

千葉は東京に隣接するため、第2次世界大戦後はベッドタウンとして急速な宅地化が進み、人口が急増しました。特に県北西部は東京と強く結びつくことで発展してきたという側面があります

過去には千葉・東葛地域を中心に、日本住宅公団や県・市によって公的な住宅団地が開発され、現在でも多くの東京への通勤者を抱えています。

このため、千葉の戸建住宅地は「東京のベッドタウン」として東京への交通利便性の高いエリアと、それ以外のエリアで価値が分断される傾向にあり、両者の格差は広がりつつあります。

住宅地の具体的な特徴として、次の3点を挙げてみました。

●東京寄りの浦安市、市川市、船橋市や、政令指定都市である千葉市、常磐線の柏市などの土地価格は、相対的に高くなっています。その他、東京湾アクアラインの接続部である袖ケ浦市、木更津市など、または空港を持ち、国際医療福祉大学の医学部を誘致した成田市などの土地価格は上昇傾向に。一方、その他の地方部の土地価格は”概ね”相対的に低く、地価変動率も横這いから下落で推移しています。

●東京近郊の湾岸部の住宅地では、2011年3月の東日本大震災で「液状化被害」が発生した地域も含まれますが、現在はその心理的影響はほぼ無くなっています。また、特徴的なトピックとして、サーファーの聖地として「2020年東京オリンピック」でサーフィン競技が開催されている一宮町の土地価格の上昇率が大きくなっています。

●基本的な考え方としては、都市部へのアクセスが優れるエリアは人口増加が続き、地価も高くなります。一方、都市部から離れたエリアでは人口減少が続き、地価下落に歯止めがかからない状態が続いています。「東京近郊部に他エリアの価値が吸い上げられている状態」をイメージしていただくと、分かりやすいかと思います(あくまでざっくりとした考え方です)。

千葉県の商業地

千葉県の商業地
続いて千葉県の商業地について見ていきます。

商業地においても、東京近郊を中心とした交通利便性の優れる地域の地価は、相対的に高くなる傾向にあります。

商業地の具体的な特徴として、次の3点を挙げてみました。

●浦安市、市川市、船橋市、習志野市、柏市、千葉市などの商業地の地価が相対的に高くなっています。例えば市川市、船橋市ではバブル崩壊後の底値から20%以上上昇しています(但し、バブルピーク時の8分の1程度の水準に留まっている)。またTX沿線の流山市などは大型商業施設の整備などもあり、近年注目されています。

●JR総武線の終着駅であるJR千葉駅周辺では、千葉パルコや三越閉店など百貨店の閉店が相次ぎましたが、JR千葉駅ビル再開発やJR千葉駅東口・西口の再開発が進んでおり、繁華性を取り戻しています。

● 2017年に千葉三越店、2018年2月に西武船橋店、同年3月に伊勢丹松戸店が閉店、2023年2月末には津田沼パルコも閉店するなど、百貨店の相次ぐ閉鎖は一つの懸念材料になっています。
ただし、これは百貨店という業態の旧態化が主な原因であり、入れ替わりが起こるのは経済市場において自然な流れです。

総じて商業地については、新型コロナウイルス感染拡大に伴う売上減少も懸念されていますが、一方では「新しい商業地」として生まれ変わる期待感も高まっています。

千葉県の分譲マンション用地

千葉県の分譲マンション用地
続いて分譲マンション用地です。

千葉県では「流山おおたかの森」などの新興住宅地のほか、JR津田沼駅南口などで続々と分譲マンションの建設が見られますが、総じて分譲マンション用地の取得競争は年々激しさを増しています。

立地条件が良好な素地は用地確保が難しい状況にあり、我々不動産鑑定士が取引事例を見ていても、JR総武線や東西線など、交通利便性の優れる素地が市場に供給されれば需要が競合し、高額で取引される傾向にあります。

分譲マンションの具体的な特徴として、次の3点を挙げてみました。

●JR総武線沿線、東西線沿線、TX沿線等、都心へのアクセスの優れる地域では、ディベロッパーの用地確保が厳しい状況です。その他の私鉄沿いは相対的に需給は逼迫していないものの、昨今は検討エリアが拡大されつつあり、取得の動きも見られます。

●海浜幕張、TX沿線の三井不動産など、豊富な資金力で有利とされる大手ディベロッパーは、市街地再開発、区画整理事業へ参画する動きが見られます。特に人気エリアでは激戦となり、中堅クラスのディベロッパーは取得が厳しい状況が続いています。

●東京近郊エリアを中心に大手ディベロッパーの参入が見られますが、都心からやや離れた地域(千葉市より南側など)では、地場の中堅クラスのディベロッパーの存在感が強く、大手はあまり参入していない印象です。

千葉県の工業地(物流)

千葉県の工業地(物流)
最後は工業地(物流)です。

千葉県の工業地では、Amazonや楽天などのインターネット通販を中心としたEC関連企業の旺盛な賃借需要を背景に、「相対的な地価の割安感」と「東京への接近性が優れる」ことを理由に、大規模物流施設の開発が続いています。例えば市川市の二俣新町では、ESRが22.5万m2という広大な土地に、巨大な物流施設を竣工させました。

物流施設の開発用地としては、臨海部の工場の移転や撤退に伴う工場跡地のほか、内陸部の工業団地造成などで供給されることが多く見られます。ただし、工場閉鎖件数も年々減少傾向にありますから、浦安・市川・船橋等の臨海部の物流適地は少なくなっています。

このため、昨今では相対的に地価の割安な内陸部(千葉・柏・流山・印西等)へのシフトが進んでいます。特徴的な開発として、GLP、大和ハウス等が流山IC付近に国内最大級の物流施設を開発しているほか、ラサール、GLP等の外資系が国道16号沿いで大規模物流施設を開発しています。

工業地(物流用地)の具体的な特徴として、次の4点を挙げてみました。

●臨海部に加え、内陸部においても開発競争(商業施設開発と競合することもある)に過熱感が出始め、土地価格や賃料も上昇している物件も見られます。このため、用地取得にあたっては、時間をかけて自治体と話し合い、開発許可を得て開発するなど、これまで誰も物流施設を建設していないエリアでの用地確保を進めるなどの事例も出てきています(大和ハウスの流山開発)。

●外資・国内不動産大手による物流施設の建設が続きます。例えば外資ではGLP(シンガポール系)が国内最大の物流施設「GLP流山」として全8棟を開発しているほか、習志野、成田などでも開発しています。国内では三井不動産、大和ハウス工業なども積極的に物流施設を開発。例えば三井不動産なら南船橋駅付近で、大和ハウスは流山IC付近に国内最大級の物流施設を開発しています。

●圏央道は2015年10月に埼玉県で全通し、埼玉県・神奈川県では大規模物流施設の開発が進んでいます。千葉県では2013年4月に「東金―木更津」間が開通したほか、成田空港周辺の圏央道は現在計画中で、順調に用地取得が進めば2024年度に開通予定です。ただし、東京都心から距離があることから、圏央道周辺では大規模物流施設の開発は進んでおらず、今のところ、用地取得に影響は見られません。県内の物流適地としては国道16号より内側が基本です。

●物流施設では人材確保も重要です。このため、通勤のための交通利便性が高いことも用地選定の条件になります。従来はインターチェンジ近辺が物流適地とされていましたが、鉄道やバスが利用しにくいケースもあり、マイカー以外では通勤しにくい状況です。例えば三井不動産では、自社で保有する駅徒歩圏内の土地(商業施設と競合するような好立地)を活用している例も見られます。 

まとめ

まとめ
いかがだったでしょうか。千葉県は面積が大きく、エリアも上総、下総、安房、外房、内房、北総、東葛、葛南など多岐にわたります。

このため、簡単にまとめるのは非常に難しいのですが、今回はある程度強引に「わかりやすさ」を重視してまとめてみました。

もちろん不動産市況の変動や個別の不動産の状況により内容は異なります。

何か不明な点などありましたら、お気軽に下記の「お問い合わせフォーム」よりご質問ください。

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