不動産鑑定の
ご利用方法を
ケースごとにご紹介
不動産鑑定は、不動産業界の最高峰の国家資格を持つ専門家が「不動産の鑑定評価に関する法律」に基づき、不動産の適正な価値を算出します。不動産会社による査定には公的な証明力や法的責任がありませんが、不動産鑑定の結果にはこれらが含まれているため、「公的に認められた適正な不動産価値」と言えます。
以下では、鑑定評価のメリットと、それぞれのケースにおける利用方法をご紹介します。
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Case.01 不動産を売買するとき
自宅や店舗、空き家などを売買する予定があるか、売却を考えている場合には、鑑定評価を利用することで適切な売買価格を知ることができます。
また、法人・個人間の売買、あるいは資産の組み替えで、事業用資産の買い換えの特例を利用する場合などでも、鑑定評価を行うことで、税務調査が行われた場合でも、適正な売買価格であることが証明できます。 -
Case.02 不動産の賃貸借をするとき
賃貸物件については、新規賃料だけでなく、すでに賃貸借契約が結ばれている物件の継続賃料、地代、契約更新料なども鑑定可能です。
例えば、新たに家賃を設定する場合や、既存の賃料の増減について交渉する際、鑑定評価は非常に有用な参考資料となります。また、テナントの退去に伴う立退料の算定にも鑑定評価は役立ちます。
このように、賃料評価は様々なシーンで利用可能で、具体的な状況に応じて適切な判断を下すための重要な資料となります。 -
Case.03 不動産の担保価値を把握するとき
不動産を担保として、金融機関から事業資金の融資を受ける際には、鑑定評価書があれば借入限度額を予測することが可能になります。
また、鑑定評価書は金融機関に担保価値の安全性を証明するための根拠資料として機能します。
さらに、金融機関が融資を行う際も、鑑定評価は非常に重要です。これにより、担保として受け取る不動産の適正な価値を正確に理解し、リスクを適切に評価することができます。 -
Case.04 不動産の資産評価を把握するとき
鑑定評価を取得すると不動産の市場価格を把握することができます。一般的な相続税路線価や会計上の簿価よりも、具体的な状況に基づいて個別に評価された鑑定評価額の方が、より説得力があります。
法人の場合でも、企業買収や事業買収(M&A)、財務諸表に記載する賃貸不動産の時価などの注記に、不動産鑑定士による価格調査を活用することが可能です。
また、破産や清算手続きが必要になった場合に、公正かつ適切な手続きを進めるために、鑑定評価は欠かせない要素となります。 -
Case.05 相続で適正価格を知りたいとき
相続において不動産の分配を行う際、鑑定評価を取得することでその適正価格を知ることができ、公平な分割のための重要な判断材料になります。
相続税計算では、一般的には財産評価基本通達に基づく評価が原則ですが、鑑定評価が用いることが有用な場合もあります。特に、農業用施設用地やアクセスの難しい土地、地形の起伏が激しい土地などでは、相続税上の評価額が市場価格を上回る可能性もあり、こうしたケースでは不動産鑑定士の専門的な知識と鑑定評価が大いに役立ちます。
また、遺留分の保証を求める場合などでは、不動産の適正な評価は避けて通れない重要な手続きとなります。 -
Case.06 不動産を証券化するとき
J-REITを始めとする不動産投資においては、オフィスビル、住宅、店舗、物流施設、ホテル、ヘルスケア施設などの証券化対象となる不動産の取得、期中、売却時に鑑定評価が必須となります。これは投資家が予期せぬ損失を避けるためで、そのためには非常に詳細かつ精緻な鑑定評価が要求されます。資産マネージャーや金融機関などは、この鑑定評価を活用して投資戦略を立てます。
一方、個人投資家の場合でも、投資の収益性を評価するために鑑定評価が大いに役立ちます。鑑定評価により、投資の採算性を正確に理解し、より良い投資判断を下すことが可能となります。 -
Case.07 不動産投資型クラウドファンディングを運営するとき
インターネットを活用した「不動産投資型クラウドファンディング」は、匿名組合を基に不動産投資事業を展開するものです。この場合、募集業者が対象不動産の鑑定評価を取得することで、投資家からの信用を得られ、また、不動産の売却時に流動性リスクを軽減する効果もあります。
主にクラウドファンディングを販路拡大の手段として利用している中堅の不動産業者は、鑑定評価を活用して投資家の信頼を深め、事業の成長を促進することが可能です。