このたび、代表中田が公益財団法人日本賃貸住宅管理協会が主催する「賃貸住宅メンテナンス主任者」資格試験に合格し、同資格を取得いたしましたことをご報告いたします。
当事務所では、不動産鑑定評価および賃貸経営支援業務を行う中で、法的・経済的な視点のみならず、建物の維持管理に関する実務的な知見も不可欠であると考えており、今回の資格取得は、そうした姿勢の一環として位置付けております。
賃貸住宅を取り巻く社会的背景
近年、賃貸住宅に関わる事故やトラブルが社会問題化しており、たとえば外階段の崩落事故やサブリース契約を巡る紛争などが記憶に新しいところです。こうした背景のもと、令和3年6月に「賃貸住宅管理業法」が施行され、建物や設備の維持保全が賃貸管理業の法定業務として明記されました。
このような制度的整備を受けて創設されたのが「賃貸住宅メンテナンス主任者」資格です。本資格は、賃貸住宅における建物・設備の基礎知識を幅広く備え、点検・修繕の初動対応が可能な実務人材の育成を目的としています。
資格取得により習得した実務知識
試験学習を通じて、以下のような分野に関する知識と理解を深めました。
- 建物・外壁・設備・給排水・電気・ガス・消防設備等に関する基礎知識
- 巡回点検業務のチェックポイントと実施基準
- 外部改修工事・内部修繕・原状回復に関する判断基準
- 建物の不具合に対する一次対応(初診判断)の考え方
- 外注業者や専門家との技術的対話に耐えうる知識水準
こうした現場の知見は、単に現場対応のためだけでなく、建物の物理的劣化に基づいた不動産評価や、賃貸住宅を経営するオーナー様への運用提案・リスク説明といった士業業務の質的向上にも大きく寄与するものと考えております。
不動産鑑定・賃貸経営支援への活用
当事務所では、不動産鑑定士としての専門性を基盤に、賃貸経営に対する中長期的な視点からの支援も行っております。その中で、建物設備の維持管理状況は、鑑定評価における価格形成要因として極めて重要であり、原価法における現価率の査定や、収益還元法における長期修繕計画の反映に密接に関わる項目です。
本資格により得た知見は、次のような場面で積極的に活用してまいります。
- 建物の劣化状況が不動産価値に与える影響の定性的・定量的評価
- 修繕履歴や点検状況を踏まえたリスク分析
- オーナー様への維持保全に関する中立的・専門的アドバイスの提供
- 建物管理状況の把握を前提としたキャッシュフロー分析の高度化
最後に
不動産の適正な評価や健全な運用支援のためには、法制度・経済動向だけでなく、「建物がどう機能しているのか」「維持できているのか」といった現場の理解が欠かせません。
今後も引き続き、専門性と現場実務をつなぐ知識の深化に努め、鑑定評価およびそれに付随する資産価値向上とリスク管理の一助となるサービスの提供を心がけてまいります。
今後とも、よろしくお願い申し上げます。
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