鑑定評価
文化ホールの鑑定評価
音楽ホール等の文化施設を前提に建築された特殊建築物であっても、鑑定評価は可能です。
このような不動産は汎用性・代替性が一般の不動産とは大きく異なります。
したがって現況継続利用のほか、コンバージョン、賃貸用不動産への転用の可能性等も総合的に勘案のうえ、鑑定評価額に反映する必要がございます。
解決事例 CASE STUDY
音楽ホールのほか、会議室、スポーツ施設、温浴施設、飲食店、郵便局、駐車場等として利用されている公益的文化施設の鑑定評価を当社にご依頼をいただいたケースをご紹介します。
複数の特殊な用途に利用されている超高層建築物であり、建物のグレードも高く、設備も特殊であり、鑑定評価の難易度も非常に高い案件でした。
また、近隣地域は高層マンション、オフィス、店舗、ホテル、駐車場等が混在する商住混在地域でしたが、文化ホール等の用途の特殊性を鑑みて、最有効使用を判定する必要がありました。
解決策 SOLUTION
自用の建物及びその敷地の鑑定評価であったことから、まずは①現況継続利用、②他用途への改修、③建物を取壊し更地化の3パターンのシナリオを作成しました。
音楽ホール等の特殊用途であることによる汎用性・代替性、市場における流動性なども考慮のうえ各々の実現性の程度を勘案したほか、建物・設備等の修繕・更新や他用途への転用費用、解体撤去費用等も査定のうえ、これらを市場競争力に反映することで最終的なシナリオを決定いたしました。
また、対象不動産は商住混在地域にありましたが、対象地の最有効使用の判定に当たっては規模、利便施設との接近性などを勘案して分譲マンション用地と判定のうえ、CAD(コンピュータを用いて建築物を設計すること)を活用して高層分譲マンションの設計図を作成し、土地価格を査定しました。
気をつけたいポイント POINT
- 音楽ホール等の運営には専門的なノウハウ等が必要であることから、一般的な建築物と比較した事業リスクのほか、当該施設を必要とする需要者の業種・業態・資金力といった属性、類似不動産との比較も考慮のうえ、対象不動産の市場競争力に適切に反映させる必要があります。
-
大規模な土地の評価においては、対象地に建築されうる建物を想定のうえ、CAD等を活用することにより、土地評価の前提となる建物図面を設計していくことになります。
この場合、一級建築士と共同で作業を進めるケースもございます。
例えば分譲マンション用地であれば、CADにより作成した設計図を基に、分譲マンションの建築面積、延床面積、販売区画の面積、戸数、総勢費、建築費等を丁寧に査定していきます。