意見書
ゴルフ場の評価の留意点
ゴルフ場用地は一般的に規模が大きく総額が嵩むことから、固定資産税にかかる負担が大きくなります。
このため、評価の見直しを求める声も散見されます。
不動産鑑定士と固定資産税との関わりは、通常、固定資産税評価における標準宅地の鑑定評価となりますが、この他、補正の要否や、地目の認定などの考え方についても、鑑定の側面からアドバイスさせていただきます。
解決事例 CASE STUDY
千葉県は全国的に見てもゴルフ場が多く存します。
今回はゴルフ場用地について、納税者から課税庁に次のような問い合わせがあり、課税庁からご相談いただいたケースをご紹介します。
●ゴルフ場内にある建物は、単独で見れば無道路地ではないか?
●ゴルフ場は規模が大きいので、土地単価は下がるのではないか?
解決策 SOLUTION
今回のケースでは、鑑定の側面から意見を述べる「意見書」でご対応させていただきました。
●ゴルフ場内にある建物は、単独で見れば無道路地ではないか?
ゴルフ場内のクラブハウスや、敷地内通路、動産(車両運搬具・器具・備品など)などは、全て一体として効用を発揮しています。
このため、ゴルフ場の鑑定評価では前提条件として「一体利用を前提とした評価」であることをうたった上で、一つの「ゴルフ場」として評価します。
これを踏まえると、本件でも建物などを単独で無道路地としての評価するではなく、一体のゴルフ場として評価するのが合理的です。
●ゴルフ場は規模が大きいので、土地単価は下がるのではないか?
一般的に、規模が大きくなれば市場性が減退し、土地単価が低くなります。
ただし、一般的な宅地とゴルフ場の規模格差の価格形成要因は異なります。規模が大きくなると市場性が減退するのは、あくまで宅地などであって、ゴルフ場であれば、規模大がプラスにも機能することもあります。
つまり、規模が大きいからと行って、一律に土地単価が下がるわけではありません。
※物件毎の個別的要因にもよります。
気をつけたいポイント POINT
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ゴルフ場の素地となる林地や雑種地の土地単価は、宅地よりも低くなります。
ただし、ゴルフ場は開発の影響を受けた宅地であり、かつ開発許可取得済のプレミアムなども考慮すると、素地価格は一般的に通常の林地よりも高くなります。
また、ゴルフ場の評価では、素地価格に加え、造成費(コース関連施設の再調達原価)も加算するため、造成前の一般的な林地や雑種地よりも、土地単価が高くなる傾向があります。
このように、ゴルフ場に関する納税者からの問い合わせには、不動産鑑定士の知見が役立つこともございますので、ぜひ身近な鑑定士にご相談されてみてください。 -
正式な鑑定評価の場合、必ず現地に赴き、入念な調査を行いますが、その分、費用や時間もかかってしまいます。
一方、実地調査を伴わない意見書であれば、費用や時間を大きく削減することができます。
当社ではこれまでの鑑定経験を活かし、ゴルフ場などの特殊案件であってもご依頼内容や納期にあった解決策をご提供させていただきます。