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不動産会社の無料査定と鑑定評価の違い

不動産会社の無料査定と鑑定評価の違い

「あなたの自宅を無料査定!」

という不動産会社のチラシが家のポストに入っていませんか?私の家のポストにはしょっちゅう入ってます。まだ家を買って1年しか経ってませんので、売る気はありませんが・・・そんな事情はお構いなし。

特に、新型コロナウイルス感染症の影響で地価下落が見込まれる昨今では、「早く査定しないと価値が下落しますよ!」という文言が添えられてることもしばしば。

今回の記事では、不動産会社の無料査定について、なぜ無料なのか?その理由や価格査定の精度まで深掘りしています。

ご興味がありましたら、お付き合いください。

不動産業者の無料査定

不動産業者の無料査定
不動産の売却を仲介して手数料を得るのが、不動産会社の利益構造です。
このため、不動産会社は不動産を売却してもらうための導線として、「無料査定」を行っています。不動産会社は最終的に不動産の売却仲介をすれば報酬が入るので、窓口は無料でかまいません。

では、この無料査定。精度は高いのでしょうか。低いのでしょうか。

正解は「かなり低い」です。

その理由を説明します。不動産会社の売り出し価格は、売主の意向も加味されます。そして売主は例外なく、「なるべく高く売りたい」と思っています。

このため売主は、複数の不動産会社に無料査定の見積を依頼し、その中から「高く売ってくれそうな(≒高く無料査定してくれた)」不動産会社に売却の依頼をするでしょう。

●売主はできるだけ高く売却したいので、価格を高く無料査定してくれる不動産会社に売却の依頼をする。
●不動産会社は価格を高く提示すれば、仲介の仕事が得られる。しかも、売却価格が高いと仲介報酬も高くなる。

両者のメリットが「高く査定すること」で一致してますから、当然、そうなります。

具体例を挙げた方が分かりやすいと思います。

例えば、私の住む千葉市緑区おゆみ野。個人的におゆみ野で家族で住む戸建住宅を探していたので、常に売り出される不動産をチェックしていました。

その中で、1年数ヶ月の間に1000万円以上も募集価格が下がった物件がありました。新築時の売り出し価格が4000万円台後半だったその物件は、築15年程度の中古住宅として、誰もが知る大手不動産会社から、当初は3000万円台後半で売り出されていました。

その物件が売れ残り、3000万円台中盤、3000万円台前半・・・と価格が下がり続け、最終的に2000万円台後半で売却されました。

なぜこの価格の推移が分かったのかというと、私自身が購入したからです。
最終的に、自分で本物件を査定した価格と近くなってきたため、「この価格なら買ってもいいだろう」と判断のうえ、購入しました。

当初の価格は明らかに高い理由の一つに、売主のローン残債や、新居を購入するための費用が加算されていたことがあります。言うまでもありませんが、これらは不動産の価値とはまったく関係がありません。

不動産会社の売り出し価格が、市場価格といかにかけ離れているかが良く分かる出来事でした。同じような経験をされた方も多いと思います。考えてみれば、そもそも、不動産会社は不動産評価に関しては一般人と同じです。仕方のないことかもしれません。

不動産鑑定士による鑑定評価額

不動産鑑定士による鑑定評価
次に、不動産鑑定士による鑑定評価額を見ていきます。

不動産の価格形成要因は、各々異なります。一つ一つの要因を積み上げていき、精緻に価値を判定できるのは、不動産鑑定士しかいません。これが大前提です。そして、

第3者である不動産鑑定士には、物件売却に対する利害関係がありませんので、公平・中立な立場から物件価格を査定できます。

いや、公平・中立な立場から物件価格を査定”しなければならない”と言った方が適切ですね。不動産鑑定評価基準に明記されていますから。

このため、不動産鑑定士による鑑定評価額は、常に「時価(市場価格)」です。

鑑定評価では、市場で売却できるであろう時価を査定するので、売却までの時間の節約ができます。地価が下落している局面であれば、機会損失による被害を防げるでしょう。

自分を気持ちよくしてくれる不動産会社の無料査定で、高い価格で売り出したものの、いっこうに売れず、価格を下げて再募集を繰り返す。そして市場価格まで価格が下がった時点でようやく売却できる。

ただただ時間だけが経過し、その間もかなりのストレスも感じると思いますが、どちらが好ましいでしょうか。

ただし、不動産会社は無料査定ですが、鑑定評価は通常10万円以上の鑑定費用がかかります。

まとめ

まとめ
いかがだったでしょうか。

私は不動産鑑定士という立場上、バイアスがかかってしまってるかもしれません。不動産会社のサイトを開けば「無料査定で十分。鑑定は公的な場合のみ活用でOK」と書いてあるでしょう。

ですから、ぜひご自身で両者の特徴を把握し、長期的にはどちらが自分にとって経済的利益が大きいのか、立ち止まって考えてみていただきたいと思います。

いずれにしても、不動産の売却には大きなお金が動くので、後悔の無い選択をされることを願ってます。

あなたの大切な自宅の”本当の”価値を把握したいとき、不動産会社の無料査定にしますか?それとも不動産鑑定士の鑑定評価にしますか?

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